秋篠宮ご夫妻は、8月25日、京都市で行われた「国際昆虫学会議」の開会式に出席されました。長男の悠仁さまも、トンボの研究者として招待を受け参加されました。
この記事の画像(10枚)この会議は、4年に1度開催される昆虫に関する世界最大規模の学術会議で、今回は82の国と地域から約4000人が参加。
秋篠宮さまは開会式で「昆虫は地球に生息する全ての動物種の4分の3を占め、様々な環境に広く適応した、きわめて多様化した生物群です。昆虫は人間にとって身近であるとともに、環境指標になる生き物でもあります。そして、私たちの生活や経済活動とも深い関わりがあります」と英語でおことばを述べられました。
国内外の研究者に積極的に質問される悠仁さま
式典後、悠仁さまは、ご両親とともに国内外の研究者から話を聞かれました。まずご覧になったのは東南アジアのラオスで食用昆虫の研究についてまとめたポスター。宮城教育大・溝田浩二教授がラオスのヤゴ(トンボの幼虫)について「非常に多様で、日本のものと形はよく似ているが、種類がすごく多い」と説明すると、標本をのぞき込み、「サナエトンボが多いんですね」と述べられました。
また、スズメバチを捕獲する竹籠について、秋篠宮さまが「ここに返しがあって」と構造を説明されると、悠仁さまは「(返しを)越えなきゃいけないから逃げられないってことですね」と応じ、また、手に取った籠の編目を見て「ここから出てきちゃったりとか?」と尋ねるなど興味深くご覧になりました。
続いて、トンボの機能形態学を研究する、ドイツ・ボン大学のアレクサンダー・ブランケ教授から話を聞かれた悠仁さま。トンボの羽の形の進化について625種を分析した研究に「この中に日本の種はいくついますか?」などと英語で質問されていました。「専門的な質問をしていただき科学的なやりとりができて、うれしかったです」と述べたブランケ教授。
懇談が終わった後にも、悠仁さまから再度熱心に質問されたことに驚いたと言います。
「他にどのような研究をしているのか聞かれ、X線を使ったトンボの内部構造の研究、つまり筋肉や脳などを調べていると伝えたら、悠仁さまは非常に関心を示されていました」
「皇居のトンボ相」研究成果をポスターで発表
翌26日、研究内容を一枚にまとめた「ポスター」の展示が始まり、皇居のトンボに関する研究成果も発表されました。その研究者の一人として悠仁さまも名を連ねられています。
代表研究者の国立科学博物館・清拓哉研究主幹は、悠仁さまについて「たそがれ時、夕暮れ時ですね、なかなか観察できないヤンマたちがふらふらって高い所を飛び出してくるんですが、それを長い網を使って一所懸命振って捕まえるという結構大変な作業がありまして、そういった大変な作業におきましても活躍していただきました」と話しました。
幼い時から生物や昆虫が大好きで特にトンボに興味をもたれるようになった悠仁さま。2023年11月、長年続けた観察の成果を「赤坂御用地のトンボ相」という学術論文にまとめ、発表されました。さらに、国立科学博物館が行っている皇居でのトンボ調査にも、高校生になってから参加されています。今回のポスター発表は、その調査の中間報告です。
清研究主幹は「お昼から日没までみっちり走り回る、非常にハードなスケジュールで調査を行いますから、私なんかは夕方くらいになってくると疲れてへたりこんでしまうんですが、悠仁さまは夕暮れ時になっても、走るんですね。『あちらの池の方が、トンボが面白そうだから見てきます』とダッシュで駆けていく、元気と体力が有り余っていらっしゃる様子というのが記憶に残っております」と振り返りました。
国際的な学術会議の場で、初めて海外の研究者とも直接交流し、貴重な経験をされた悠仁さま。昆虫や自然環境など「自然誌を学べる大学」への進学を目指し、勉学に励まれているということです。
(「皇室ご一家」9月8日放送)