6日、兵庫県議会の百条委員会で、斎藤元彦県知事への証人尋問が行われた。
委員会では贈答品をめぐる“おねだり疑惑”、そして公益通報の結論が出る前に、告発者である元職員の停職処分を決めたことについて質問が飛んだ。

コーヒーメーカー返却指示も担当部長が忘れていたと主張

6日に行われた兵庫県議会の百条委員会での証人尋問。
委員会室には、“おねだり疑惑”がささやかれる贈答品の数々が読み上げられた。

この記事の画像(19枚)

(ーー靴は?)
兵庫・斎藤元彦知事:
当該スポーツメーカーとの中で無償でいただいている。

(ーーのりは?)
兵庫・斎藤元彦知事:
組合行った時にいただいたことがあります。

一方、一連の問題をめぐる責任については、次のように回答した。

(ーー道義的責任を感じている?)
兵庫・斎藤元彦知事:

道義的責任とは何か、私には分からないが…。

6日の百条委員会の主なテーマは2つ
6日の百条委員会の主なテーマは2つ

2回目となる斎藤元彦知事本人への尋問の主なテーマは2つ。
その1つは贈答品をめぐる、いわゆる“おねだり疑惑”に関するものだった。

亡くなった元県民局長の告発文によれば、2023年、家電メーカーを訪問した斎藤知事がコーヒーメーカーをねだったと指摘。

さらに、随行した当時の産業労働部長に「みんなが見ている場所で受け取れない。秘書課に送るように言っておけ」と指示したと、告発文には記載されている。

この告発内容について、斎藤知事は6日、コーヒーメーカーを受け取った担当者に返却する指示を出していたものの、担当部長が返却を忘れていたと主張した。

コーヒーメーカーが返却されていないことを報道で知り、「びっくりした」と斎藤知事
コーヒーメーカーが返却されていないことを報道で知り、「びっくりした」と斎藤知事

(ーー返却されていると思って、3月を迎えた?)
兵庫・斎藤元彦知事:

初めて返却していなかったのを知ったのが、確かその翌月の新聞報道。そこにかかる取材で、それを聞いてびっくりしましたね。そこで初めて知ったというのが私の認識です。

いすとサイドテーブル、レゴにタマネギ…

一方で、県職員から寄せられたアンケートなどでは、これ以外にも、さまざまなおねだり疑惑が浮上した。
これについても6日、質問が飛んだ。

(ーーいすとサイドテーブルは置いてある?)
兵庫・斎藤元彦知事:
はい。

(ーー姫路城のレゴブロックもらった?)
兵庫・斎藤元彦知事:
欲しいというか、知事室で展示できたらいいなということで。

(ーーもらった?)
兵庫・斎藤元彦知事:

あると思います。

(ーーカニは?)
兵庫・斎藤元彦知事:

組合長に持って帰ってと言われた。

(ーー淡路島のタマネギは?)
兵庫・斎藤元彦知事:

タマネギはいろんなところで、生産者の方から食べてくださいと話があった。

公益通報の結論前の停職処分に「問題はない」と主張
公益通報の結論前の停職処分に「問題はない」と主張

一方、6日の尋問にはもう1つのテーマが…。
それは、公益通報の結論が出る前に、告発者である元職員の停職処分を決めたことについてだ。

元職員の停職処分、手続きに問題ないと主張

斎藤知事は、告発文の誹謗(ひぼう)中傷性が高く、事実でないところも多かったことから、県としての手続きに問題はないと主張した。

(ーー告発者を保護できていないのは、兵庫県の瑕疵(かし)がある?)
兵庫・斎藤元彦知事:
ありません。

さらに、ここまでの調査で浮上していたのが、公益通報の妥当性を調べるため、知事が第三者委員会の調査を進言されていたという点。
委員から厳しい追及を受けた。

第三者委員会「進言された記憶ないが話には出たかも」

(ーー第三者委で調査をすべきと片山さん(前副知事)がおっしゃっていたが?)
兵庫・斎藤元彦知事:

認識はないですね。そういったものが出てきた時に、まぁちょっと委員会みたいなものを立ち上げて話を詰めていくっていう方法もあるよねということを言った記憶は少しあります。ただその時に、まぁ、その後も含めてですね、第三者委員会をやりましょうとか、そういう話はなかったと記憶しています。

(ーー第三者委で調査すべきと進言された記憶は本当にない?)
兵庫・斎藤元彦知事:

あの、すべきだっていうふうに進言された記憶はないですね。

(ーー進言でなく、そういう協議をしたのか?)
兵庫・斎藤元彦知事:

第三者委員会について協議をしたというところまでの記憶はないですね。話には出たかもしれないですけど。

第三者委員会について、「進言された記憶はないが話には出たかもしれない」と語った斎藤知事。

さらに、告発者として判明した元局長の聴取を、当時の片山副知事に行わせた件についても質問が及んだ。

片山副知事の聴取「人事権ちらつかせて…」

片山氏は、元局長の告発文で、告発対象として名前の挙がった人物でもあり、元局長のかつての上司にもあたる。

質問:
ーー片山氏は公益通報の窓口の委員会のメンバー。人事権をちらつかせて、知事はあの事情聴取の内容を見ても、適切な事情聴取の仕方と思いましたか?

片山副知事の聴取「強い口調でやりあったということはあると思う」
片山副知事の聴取「強い口調でやりあったということはあると思う」

兵庫・斎藤元彦知事:
言い方や表現は強いことがあったと思う。片山(前)副知事は、もともと早口で達者な方。それぞれお互い知った仲というところで、強い口調でやりあったということはあると思う。

“公益通報の対応が違法状態にある”と委員から指摘された斎藤知事は…。

兵庫・斎藤元彦知事:
あくまで真実相当性というものが、うわさ話でないこと、供述等があるかないかで判断している。そこを含めて、今回の通報が保護されるものではないというのが、弁護士も含めた見解の中で、県としてのもの。

「道義的責任というものが何か分からない」
「道義的責任というものが何か分からない」

さらに、その道義的責任について問われると…。

(ーー県行政トップとして道義的責任を感じるか?)
兵庫・斎藤元彦知事:

道義的責任というものが何か分からないので、明確にコメントはできない。今の県政の状況を招いていることは、県民に深くおわびを申し上げたい。

(ーー道義的責任を感じているか答えて)
兵庫・斎藤元彦知事:

道義的責任というのが何かというのが私は分からない。

(ーーここにいる多くの人が分かってると思うが…)
兵庫・斎藤元彦知事:
…。

さらに、おねだり疑惑や知事自身の言動についても質問が飛ぶと、次のように釈明した。

兵庫・斎藤元彦知事:
私の言動で不快に思われたりした方がいれば、それはおわび申し上げる。私自身は出張先でのカニ等のものについては、その背景ではなく、加工場の帰りに組合長から「またカニ食べといてください」ということで、秘書から車に積んでますと言われた。そのまま自宅に帰りまして、生ものだから持って帰った。

贈答品受け取る基準「家電製品は少し違う」持論展開

さらに、贈答品などを受け取る基準として、次のような持論を展開した。

(ーー全部受け取ってるのにコーヒーメーカーだけなぜ返却した?)
兵庫・斎藤元彦知事:
家電製品は高額。受け取るのは適切なのかどうか判断できなかったんですけど、ほかの衣服とか、公務で使うものは、社交儀礼の範囲とか、そういったもので対応させていただくことあるんですけど、家電製品は少し違うかなと。

さらに…。

「私がやっぱり持ち帰って、食べさせていただく」

兵庫・斎藤元彦知事:
私の口に合わない・合うとかではなくて、みんなで配るということが本当にいいのか、それは秘書課に届いた、特定の人だけが知事室に届いたものを食べるのが本当にいいのかどうか。それは(分け与えず)私がやっぱり持ち帰って、食べさせていただくということがいいんじゃないかということで、やらせていただいて。

はたして知事の説明は県民に理解を得られるのか。
今後の知事の対応が注目される。
(「イット!9月6日放送より」)