大雨で線路に土砂が流れ出し、運転見合わせが続く北海道のJR石勝線。特急列車の運休に加えて、収穫最盛期を迎えた北海道十勝地方のジャガイモの出荷への影響も懸念されている。
土砂災害の影響で特急列車が足止め

JR帯広駅のバスターミナルでは、9月2日の札幌市と北海道東部を結ぶ都市間バスが24往復すべてほぼ満席となり、乗り場は乗客で混雑していた。
「予定が総崩れになるところだった」
「運よくバスの空きがあったから何とかなった」(いずれも札幌に向かう人)

大量の土砂が流れ込み運行不能となった線路。これは8月31日のJR石勝線、川端―新夕張間の線路の様子である。そして、別の地点では線路脇の法面がえぐれるように陥没した場所も見つかった。
8月31日、夕張市沼の沢では午前9時30分までの3時間で79ミリという観測史上一番の雨が降った。この土砂災害の影響でJR石勝線は終日運転見合わせに。

乗客120人が乗った特急列車は、占冠駅で朝から少なくとも7時間以上足止めとなるなど、大きな影響が出た。JR北海道は代替バスを手配し対応にあたった。
復旧作業が進むも影響続く

そして被災から2日経った9月2日も現場では復旧作業が続いている。重機を使いながら慎重に作業が行われていて、かなり大がかりなものになっている。
このため、追分―新得間の運転見合わせも続き、札幌市と帯広や釧路を結ぶ特急22本がすべて運休し、約2,500人に影響が出ている。影響は人の移動だけにとどまらない。
農産物の出荷にも影響が懸念

帯広市のジャガイモ農家、吉澤誠人さんの畑では、ジャガイモの収穫が最盛期を迎えている。
「(大雨で)もっと被害が出ると思ったが、そんなに被害なく無事に越えられた。雨が降った時は何もできないので天気を祈るだけ。収穫の時期なので」(ジャガイモ農家 吉澤誠人さん)
こちらの畑では、ジャガイモ収穫の最盛期。帯広では9月1日に24時間に30ミリの雨が降ったが、幸いにも畑への被害は少なかったという。

しかし、懸念もある。
「農産物の輸送に影響が出るので、その辺が気になる」(ジャガイモ農家 吉澤さん)

JR石勝線を使う貨物列車も走ることができないため、本州方面への農産物出荷に影響が出ることが心配されている状況だ。

JR北海道によると、JR石勝線は9月3日も終日運休で、9月4日夕方の運転再開を目指すとしている。