台風の接近で懸念されるのが大雨による道路の冠水だ。新潟県内ではこの冠水の想定箇所が500カ所以上に上る。車のドライバーは冠水している場所には近づかず事前に迂回路などを調べておくことが重要だ。
冠水想定箇所は544カ所 アンダーパスでトラック立往生も…
大雨や豪雨により、排水処理が追いつかなくなると発生する“道路の冠水”。7月25日にも新潟市中央区などでは相次いで冠水が発生し、車の走行にも支障をきたしていた。

県内では国道や県道、市道などあわせて544カ所が冠水想定箇所として公表されている。※県のHPで公表
豪雨になると住宅街なども冠水しやすくなるという新潟市東区松下周辺の住民は「ここ何年か、急に雨が降るといきなり冠水したりするので、冠水しやすいところはなるべく通らないように気をつけている。この辺もけっこう冠水しやすい地域なので」と話す。

この地域にあるアンダーパスでは2022年8月、記録的な大雨のほか周辺の住宅街から流れ込んできた大量の雨水で水深は2m以上に。
撮影された映像には動けなくなったトラックが立往生している様子も映っていた。

動画を撮影した人は「(まだアンダーパスが)冠水して完全に埋まる前だったので1mくらい水がたまったところくらいで突っ込んでいったんだと思う。水はつくし、エンジンは止まるし、制御できなくて、しばらくトラックが浮いていた」と振り返る。
水深60cmでエンジン停止…冠水していたら「道路自体を避けて」
JAFが公開している冠水した道を想定した車の走行テストでは、水深60cmで車高の低い車と車高の高い車どちらも途中でエンジンが停止してしまった。

JAF新潟支部の廣川尚樹さんは「空気の取り入れ口から水が入ってしまって、それが主な原因としてエンジンが止まってしまう。そして、走行中にストップしてしまうので、その場で立往生してしまうという可能性がある」と警鐘を鳴らす。
また、ふだん通っている道でも冠水した場合にはその水深などが分かりにくくなっていることから、冠水している場合にはその道路自体を避けることが大切だ。

廣川さんは「深さがどれくらいあるかとか、目に見える範囲で分からないので、無理に入ってしまうと、もしかするとその場で止まってしまう。『意外と深かった』ということがあり得るかもしれないので、無理して入ることはしないよう注意喚起している」と話す。
また、万が一、エンジンが停止した場合にはすぐにロードサービスや警察などに通報するほか、脱出用のハンマーを用意するなど事前の備えも重要だと呼びかけている。
(NST新潟総合テレビ)