フィンランド発祥のスポーツ「モルック」の世界大会が8月23日、北海道・函館市で開幕した。

この記事の画像(22枚)

函館の街は盛り上がっているが、モルックの魅力とは何だろうか。

函館市でモルック世界大会

「函館でモルックの世界大会が行われています。日本代表の試合には大勢の観客が集まっています」(福岡百記者)

8月23日から函館で始まったモルックの世界大会。

フィンランドの伝統的な遊びを28年前にスポーツ競技としたもので、アジアの国で世界大会が開かれるのはこれが初めてだ。

「野球とかバスケとかって経験者には絶対勝てないなって思う。モルックは誰でも楽しめるのが魅力」(岩手県から来た選手)

「老若男女関係なく楽しめる」(東京から来たチーム)

「モルックって最後は気持ちなんですよ。『気持ちで投げる』をキャッチコピーにしました」(兵庫県から来たチーム)

モルックとはどんなスポーツなのか。

「モルック」とは?

世界大会への出場が決まった函館市のチーム、衣笠智文さんと娘の心さん、佐藤志輔さんの3人にモルックの魅力を聞いた。

約3.5メートル離れた場所から棒を投げて「スキットル」というピンを倒すのが基本のルールだ。

スキットルには1から12までの数字が書かれており、1本だけ倒れた場合その数字が点数となり、2本以上倒れた場合は倒れた数が点数になる。

先に50点を獲得した方が勝利する。

記者が生まれて初めて体験

衣笠さんと記者の赤チーム、心さんと佐藤さんの白チームで対戦が始まると。

「5本倒れてます。5点です」(衣笠智文さん)

両チームとも着実に点数を稼ぐ中、赤チームの記者に大きなチャンスが訪れる。

「11点ポツンと」(衣笠さん)

後ろにポツンと1本のスキットル。

これを1本だけ倒せば11点の大量得点だ。

「できる気がしない」(福岡記者)

生まれて初めてモルックを体験した記者が、見事に11点をゲットしてガッツポーズ。

しかし、試合は終盤戦で白チームが逆転し、45対48に。

「佐藤さん、狙うは?」(福岡記者)

「ふわりで『2』を」(佐藤さん)

「オーバーです」(衣笠さん)

倒れたのは「2」の手前のスキットルで、48点だった白チームは50点をオーバーしてしまう。

この場合、点数が25点に戻ってしまう。

45点の赤チームは、5のスキットルだけを倒し、50点で勝利を収めた。

「結構奥が深いというか、やったらハマるのがモルックの魅力です」(衣笠さん)

モルックの魅力とは

衣笠さん親子がモルックを始めたのは2年前。

世界大会が函館で開催されると知り、練習を積み重ねてきた。

「『世界』と聞いたら私たちには関係ない話と思っていたが、中学生の娘・心が『世界の舞台に立ったら面白いよね』って言って。頑張ってみようか」(衣笠さん)

「木を投げるだけで何が楽しいんだろうと思ったけど、やってみたらハマっちゃって」(衣笠心さん)

「大会でもミラクルを起こしたいですね」(衣笠さん)

大会の開催が市内に与える影響

8月23日に開幕した世界大会には16か国から過去最多となる約3300人が出場し、672チームから世界一が決まる。

函館の街を走る市電にもモルック世界大会の看板が掲げられた。

影響はホテルにも。

「お盆を過ぎた期間は宿泊客が少し減る時期になるが、モルック世界大会が行われることで函館全体で宿泊客が増えている実感がある」(笑 函館屋 植沢大作 支配人)

観光客が多く集まる金森赤レンガ倉庫ではこんなサービスも。

「すみません、モルックを持ってきました」(福岡記者)

「100円割引です」(店員)

「こちらの店ではモルックを持ってくると100円割引で購入することができます」(福岡記者)

「せっかくの世界大会、そのぐらいの楽しみはあっていいんじゃないかと」(マリオンクレープ金森赤レンガ倉庫店 小川梨恵店長)

日本モルック協会の関係者も、函館での普及に手ごたえを感じている。

「函館でモルックは加速度的に普及が進んでいった。函館開催でよかったなと思っています。みんなで楽しく一生の友達ができるような場所になったらいいなと思っています」(日本モルック協会 八ツ賀秀一 代表理事)

北海道文化放送
北海道文化放送

北海道の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。