8月20日で広島土砂災害から10年を迎える。当時、広島市の安佐南区や安佐北区を中心に猛烈な雨が降り、広島市内166か所で土砂災害やがけ崩れが発生し、災害関連死を含む77人が犠牲となった。原因となったのが線状降水帯であるが、この災害をきっかけに線状降水帯が一般にも広く知られるようになった。
『ひろしま満点ママ‼』のまんてんきコーナーで田代香子 気象予報士に「線状降水帯について」や、「今後の注意点」について聞いた。
2時間で8月1カ月の雨量を超えた線状降水帯
2014年8月20日の未明、広島市北部を襲った猛烈な雨。安佐北区三入では、1時間に100ミリ以上の雨が降り、観測史上最大を記録した。たった2時間で、8月1ヶ月の平年雨量を上回る大雨となった。各地で土石流やがけ崩れが発生し、多くの人が犠牲になった。

そしてこの記録的な集中豪雨をもたらしたのが”線状降水帯”だ。同じようなところに発達した雨雲がかかり続けることで、土砂災害を引き起こす原因にもなり、線状降水帯は災害に直結するものとして広く知られるようになった。

この線状降水帯は日本の集中豪雨に多く関係しているとも言われている。ただ、今年の8月に関しては、実は広島県内は雨量が少ない。例えば広島市中区では1ヶ月の半分を過ぎても10ミリを超えない程度と少ないままだ。雨よりも暑さに注目が集まりがちだが、まだまだ雨には注意が必要な時期だ。
9月は中国地方の台風平均接近数が最多
中国地方の台風の接近数は、この後9月にかけて特に増えやすい。また、季節の変わり目も出てくるため、前線も発生する。台風と前線で大雨にもなりやすく、線状降水帯も発生しやすいような状況になるため注意が必要だ。
避難場所の確認や持ち出し品など雨の備えは確実に

暑さで雨には目が行きづらいが、避難場所や避難経路の確認、さらに持ち出し品の準備なども、もう一度家族で確認するなど備えが必要だ。
(テレビ新広島)