各地にさまざまな被害をもたらした九州地方を襲った地震。
地震発生の瞬間をとらえた映像などから被害の実態が明らかになってきた。
墓石倒れ、商品が落ち…地震の被害と瞬間
宮崎市内の墓地では、地震によって墓石が重なるように倒れ、ブルーシートがかぶせられている箇所もあった。

墓を見に来た男性は「中で骨つぼが散らかっています」と話した。
墓石の下で骨つぼが無残な姿になっており、お盆を迎える直前、途方に暮れていた。

今回の地震では、多くの人がその瞬間を撮影していた。
震度5弱だった鹿児島市のショッピングモール「イオンモール鹿児島」では、並べられた服が左右に激しく動いている。
震度6弱だった日南市の駐車場では、一斉に車が揺れる様子も撮影されていた。

宮崎市のスーパー「ナガノヤ瀬頭店」に設置された防犯カメラの映像を確認してみると、地震で揺れていた時間は約20秒。
店内の棚から商品が次々と落下し、10万円を超える被害が出た。

宮崎空港では看板が揺れ、騒然とした雰囲気に。
撮影者からも「びっくりした…」との声が漏れていた。

8月9日に宮崎空港を取材すると、床にはヒビが入り、空港にある店では巨大な冷蔵庫が傾いていた。

地震の影響は、震度4を観測した鹿児島・志布志市にもあった。
激しい音を立てて土砂崩れが発生。
崖には緑が茂っていたが、土砂崩れで山肌があらわになった。

崖の目の前に住む人に話を聞くと、「びっくりした。怖かった。上の方はまだ地面にひびが入っているみたいで、『雨が続くようだったらすぐ避難して』と(市の人に)言われた」という。
さらに8日は、宮崎港や志布志港などで津波も観測された。
“南海トラフ巨大地震”への不安
9日、住民から聞こえてきた声は、「南海トラフに関連しているんじゃないかと思うと怖いですね」、「南海トラフのニュースを聞いてもっと不安になりましたね」という“南海トラフ巨大地震”への不安。
発生すれば最悪の場合、約32万人の死者が想定されている。

気象庁は8日、「南海トラフ地震臨時情報」を初めて発表。
「巨大地震警戒」に次ぐ、「巨大地震注意」を出し、1週間程度は地震に備えるよう呼びかけている。

南海トラフ地震が起きた場合、宮崎市には16メートルの津波が来ると想定されている。
東京から来た観光客は、「泊まっているところの避難経路とか、いつも以上に確認念入りにしようと」と話していた。
巨大地震に注意しながら過ごすお盆になりそうだ。
(「イット!」8月9日放送分より)