経営改革を進めなければ、2024年度の赤字額が60億円を超える見通しとなったJA新潟厚生連。その厚生連の病院が地域医療の中核的な役割を担う6つの市が国に緊急の金融支援などを要望した。地方の病院存続への議論は待ったなしとなっている。

病院存続へ…自治体が国に支援要望

7月23日に松本総務相を訪ねたのは、糸魚川市の米田徹市長など新潟県の6つの市で構成されている地域医療連携推進協議会のメンバーだ。

大臣に手渡されたのは、JA新潟厚生連が運営する病院への財政措置などを求める要望書。

要望書
要望書
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米田糸魚川市長は「厚生連病院に我々の地域医療を担っていただいているが、非常にいま地方の人口減少や高齢化の状況下の中において、地域医療というのは非常に危うい状況になっている」と要望した背景について説明した。

過去にも2回…新潟県に支援要望

7月10日にJA新潟厚生連が明らかにした経営悪化。

経営改革を進めなければ、2024年度の赤字が60億円を超えて、2025年度には資金が枯渇し、事業の存続が困難になるとの見通しを示したのだ。

JA新潟厚生連
JA新潟厚生連

糸魚川市など6市は、このJA新潟厚生連が運営する病院が地域医療の中核的な役割を担っていることから、経営が悪化した2019年、そして新型コロナウイルスの影響を受けた2021年にも県に支援を要望していた。

病院の現状厳しく…「身を切る覚悟も」

23日の要望に対し、「検討する」と答えたという松本大臣。

JA新潟厚生連の塚田芳久理事長は「本来的には病院が単独でやっていくのが原則で、我々は身を切る覚悟で改革を進めるが、実際にはなかなか厳しい局面があるので」と、その苦しい現状を吐露した。

JA新潟厚生連 塚田芳久 理事長
JA新潟厚生連 塚田芳久 理事長

県立病院も赤字が続いている新潟県。

人口減少が進み、患者も減少する中、地方の病院を存続させ、医療提供体制を維持するためには、医療再編や診療報酬の見直しなど様々な面での対策が急務と言えそうだ。

(NST新潟総合テレビ)

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