8月12日、東京都では222人の感染が確認され、3日ぶりに200人を上回った。

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そうした状況の中で、いま感染者の年齢層に変化が生じている。今回注目するのは、子供たちへの感染だ。

厚生労働省の調べによると、緊急事態宣言が出された4月には10代以下の感染者は3%だったのが、8月になって5.9%と倍増している。

その原因が、最近全国で多発している学校などから発生するクラスターである。

全国の学校などからクラスター発生

佐々木恭子アナウンサー:
まずこちらの地図、最近発生した主な学校などでのクラスターをまとめています

佐々木恭子アナウンサー:
この中からいくつか詳しく例を見ていくと…

まずは、千葉県船橋市の西船みどり保育園の例。この1つの保育園から、これまでに園児8人職員1人の陽性が確認されています。船橋市では、残りの園児53人、職員21人の集団のPCR検査を実施する予定です。

そして、沖縄県浦添市の小学校の例。これは、6年生の担任1人が陽性とわかりましたが、その対応策として、全児童を下校させて消毒を行いました。しかし、クラスターが発生してしまいました。この1つの学校から合わせて教師3人、児童6人の感染がわかっています。

加藤綾子キャスター:
佐々木さんもお子さんがいらっしゃるから、学校のクラスター心配じゃないですか?

佐々木恭子アナウンサー:
小学生2人なので、やはりコロナウイルスのことはだいぶわかってきていて…おじいちゃん・おばあちゃんに移すのも怖いなということは思っているんです

加藤綾子キャスター:
お子さん自身も心配しているところですよね

佐々木恭子アナウンサー:
ただ、3月からの休校がとても長いのが辛かったので、2学期は学校がありますようにと祈るような気持ちのようですよ

加藤綾子キャスター:
そうなんですね。もう1回お休みって言うのは嫌だって言うお気持ちなんでしょうね

加藤綾子キャスター:
別所さんも、小学生のお子さんいらっしゃいますけれども…

別所哲也氏:
11歳の娘がいるので。ただどういう行動をとったいいか、僕の娘も勉強をしているわけですけど…学校特有の団体の中で起きうることが何なのかってことは、もうちょっと丁寧に見て、行動指針が出てくると、学校や保育園も対応できるんじゃないか

加藤綾子キャスター:
子供たちにとっても安心材料になりますよね

「子供が感染しにくいという間違った感覚があった」

佐々木恭子アナウンサー:
では、なぜ子どもの感染、学校でのクラスターが急増しているのか?その理由について、感染症学の専門家、国際医療福祉大学大学院の松本哲哉教授がこのような指摘をしています。

松本哲哉教授
やはり、学校ならではの事情がある。というのも、授業、部活動、寮など大勢が長時間同じ場所にいることが多い。そうすると、当然クラスターの可能性は高まってしまう。

松本哲哉教授
また、若者たちは症状が出にくいのでなかなか気づきにくい。自分の身近なところにコロナウイルスがあるということを、なかなか感じづらいということもあるのではないか。また、PCR検査が増加したことによって、以前から子供にも感染があったはずだが、検査数が少なかったため、なかなかわからなかった。検査数が増えたと共に、症状が出にくい子供も把握できるようになったのでは…

加藤綾子キャスター:
もともと子供には感染しにくいというような話も、特に3月4月のときに聞かれたと思うんですけれども…二木先生はこのクラスターが増えている原因は、どういったところにあるとお考えですか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 客員教授):
1つは、子供が感染しにくいという間違った感覚があったのではないですか。それで油断があったと。ちょうど6月ぐらいに北九州で小さいクラスターありました。積極的に検査をして抑え込んだ。あの時に初めて、子供たちも積極的にPCR検査をして、子供たちでも結構感染者がいるということがわかりました

二木芳人氏(昭和大学医学部 客員教授):
ですから、松本先生がおっしゃる通り、最近検査ができるようになって、それで子供たちでも感染するとわかった。ただ、やはり症状が軽かったものが多いですよね。重症化することは恐らく少ないでしょう。ですから、だんだんと実態が見えてきたということだと思います。

加藤綾子キャスター:
今になってコロナの実態がわかってきたと。そして、いまアメリカでも子供の感染が急増しているのですが、こうした現状をどう捉えていますか?

二木芳人氏(昭和大学医学部 客員教授):
アメリカの場合は、明らかに学校再開しているのと相関しているようです。地域も人種的な特徴もあるようで、この辺は今からもう少し分析しなければいけないでしょう

加藤綾子キャスター:
まだ分からないところも多いんですよねでは、子供たちへの感染をどうやって防ぐのか、子どもたちに守ってもらいたいこととは…

子供たちの感染対策はどうしてる?

子供たちの感染対策をどうしているか街で聞くと…

30代・男性:
お店に入るときでも、備え付けのアルコール消毒は必ず。大人がして、その手を子どもにもつけて

40代・女性:
息子は中学生で電車通学してるので、見えないところがあるので心配してます。いつもより(電車がすいているので)早めに行かせるようにしている

40代・女性:
水筒を持たせて、飲み物は必ず自分の水筒から飲むようにしてます。縄跳びとかなるべく、密にならない遊び方をするようにしてる

40代・女性:
この子が通っているところでは、基本的に親は出入りができなくて。通勤する方もいて、親が一番菌を持っているリスクが高いと思うので、できるだけシャットアウトするような対策をとってますね

加藤綾子キャスター:
皆さん本当に様々な対策を取られていますが、電車とか心配なので時間をちょっとずらしてという方もいらっしゃいました。別所さんのお家では、お子さんにどのような対策をされていますか?

別所哲也氏:
もちろん、うがい・手洗いというのは徹底していますし、同時に大皿料理とか、とにかくみんなで分け合うということは、家族の中でも止めるようにしています。でも、やっぱり友達同士なんですよね。自転車を一緒に乗ってとか、スクーターとか、こういったところをどういうふうにするか。友達同士でシェアすることはいいことだって教育で教えてきたことを、いま踏み止まらなきゃいけないってところが難しい

加藤綾子キャスター:
その難しさはありますよね

守ってほしいポイントは2つ

佐々木恭子アナウンサー:
では、子どもたちの学校でのクラスターはどう防ぐのか?松本先生が『子どもたちに守ってほしいことポイントは2つなんです。ぜひお子さんたちに教えてあげてください』と言われています。まず自分の周りに感染者がいるかもしれない。いたらどうすればいいんだということを常に考える意識をしましょうということです。もうひとつは、集まって話すときには、飛沫が飛ぶのでお話するときはマスクは絶対に外さない。

二木芳人氏(昭和大学医学部 客員教授):
大変いいですね。特に小さいお子さんは、シンプルに一番大事なことを教えて守っていただく。それから、教育者の方ですとか、指導者の方々がそういうところをもう一度、よく考えて徹底する

二木芳人氏(昭和大学医学部 客員教授):
それから高校生ぐらいになりますと、自分でコロナのこと、感染防止ことを勉強していただくということも重要かなと思います

加藤綾子キャスター:
大人も子供も、一人ひとりがみんなで気をつけないと、感染拡大防止にはつながらないということですね

(Live News it! 8月12日放送より)