7月12日から開幕する、夏の高校野球福島大会の注目校を紹介する。
2回目は相馬高校。3年前、あの大舞台に立ったピッチャーが、仲間たちとともに頂点を目指す。
東京オリンピックの始球式
今大会・第6シードに選ばれた実力校は、大会直前まで走・攻・守全体のレベルアップに余念がない。

抜群のコントロールと緩急を活かしたピッチングでチームを引っ張る寳佑真(たから ゆうま)投手は、2021年に大舞台のマウンドに立っていた。

東日本大震災からの復興五輪と位置付けられた東京オリンピック。県営あづま球場で行われた野球の開幕戦の始球式に登板したのが、当時中学3年生の寳投手だった。

寳投手は当時「テレビでよく見ている人たちなので、その人達の前で投げられたというのはとても自信になりましたし、これからはもっと努力していきたいと思います」と話していた。

投打で活躍する選手に成長
あれから3年。間近で見た、世界で戦う侍ジャパンの姿を胸に練習を重ね、今では投打で活躍する選手に成長した。

練習でも試合でも、チームを鼓舞する姿に仲間たちからも厚い信頼が寄せられている。関颯汰主将は「チームのムードメーカーでもある。ちょっとお茶目なところはありますけど、そんなところも試合になると真剣な表情に変わって、とても頼もしい選手」と話す。

地元・相馬から甲子園を目指す
中学時代は強豪校からの誘いもあった寳投手だが、地元・相馬で甲子園を目指す道を選んだ。今のチームは、3年生全員が小・中学校と一緒に野球をしてきた幼馴染だという。

寳投手は「自分の事も分かってくれている仲間と、地元から甲子園というものを目指してみたいと思った。このメンバーで野球できるのも、人生で今しかないと思っている。本当に今という時間を大切にプレイして行きたい」と話す。

仲間との結束力を武器に、見据えるのは初の「頂」だ。
(福島テレビ)