パリオリンピックのブレイキン代表、大能寛飛(おおのひろと)選手が久しぶりに金沢市の実家に帰省した。その目的は学校の先生に感謝を伝えること。そして家族との“スキンシップ”。大能選手を陰で支え続ける父親との日常に密着した。 

美容師の父親と二人三脚で夢をつかむ

7月2日。金沢駅にいたのはパリオリンピック、
ブレイキン日本代表の大能寛飛選手だ。

大能選手:
「(時差ボケで)ちょっと眠いくらいです。
(最終予選の)ブダペストが終わってから帰ってないんで
東京にステイしてそのままスイスの大会に行っていました」

金沢に帰省した大能選手
金沢に帰省した大能選手
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ブレイキンはパリオリンピックで採用された新競技。
大能選手はHiro10(ひろと)のダンサーネームで5月からの最終予選に出場し
日本男子では2人しかいない代表の座を勝ち取った。

この日、代表決定後、初めて自宅に戻り、親子の再会となった。
玄関には地元の人から、オリンピック出場を祝う多くの花束が届いていた。

大能選手:
「愛を感じますね、情熱の赤で。みんなの応援を感じますね。こうやっていっぱい花とかいろんな応援のメッセージをいただいて。決まった直後は全然、実感なかったんですけど、今はすごいだんだんと
(実感が)わいてきて、本気で頑張るぞって、情熱の赤ですから」

自宅で練習に励む大能選手
自宅で練習に励む大能選手

その後、大能選手が向かったのは、2023年3月まで通っていた北陸学院高校。
遠征や大会で海外に行くことが多かった大能選手をサポートしてくれた先生たちに感謝を伝えるためだ。

北村あづさ先生:
「大人っぽくなっていてびっくりしました。(高校生のころは)あんまり言葉が出ない人だったような気がします。いろんなものを背負っている結果なのかな」

出迎えた北村あづさ先生
出迎えた北村あづさ先生

大能選手が今回帰省したもう1つの目的。
それは美容師の父、善行さんに髪を切ってもらうこと。
父・善行さん:
「大会の直前とか海外から帰ってきてすぐとかっていうタイミングでいつも髪は切っているんですけど、生まれてからほとんどずっと寛飛の髪を切っているんで」と嬉しそうに話す。

息子の髪を切る父親の善行さん
息子の髪を切る父親の善行さん

大能選手:
「大会に行く前とかに自分の気持ちを正直に話していつもいいメンタルで大会に臨めるようにしてくれます。大切な存在ですね。自分の踊りでお父さんが喜んでくれるのがうれしい」と大きなモチベーションになっているようだ。

小学生のころから大能選手を支えてきた父、善行さん。ブレイキン未経験ながら共に技の研究を重ねてきた。
善行さん:
「小学生の子どもよりは大人の方が体の使い方とかを理解しやすいと思うので動画を見て研究してそれを分かりやすく、1から10まで寛飛に体の使い方を教えたって感じですね」

大能選手:
「お父さんがいなかったらここまで来れなかったし、これからは自分のブレイクダンスの大会とか歩みとか技とかそういうので結果を残してお父さんに恩返しをしたいなと思います」

その言葉通り、オリンピック出場という最高の恩返しを果たした大能選手。
決まった瞬間は親子2人で喜びを分かち合ったという。
大能選手:
「お互い泣いていてお父さんが僕をハグしながら『頑張ったな、いろんなこと考えとったやろ。よくやった』って言ってくれて、めちゃくちゃうれしくて。恩返しできた」
善行さん:
「自分の中では一緒に楽しんでいるような感じだったけど寛飛にすごい恩返しをしてもらった。結果とか気にせずにめちゃくちゃ楽しんでほしいし、オリンピックで寛飛らしさを爆発させてほしい」

父との二人三脚でたどり着いたオリンピック。ただ、ここがゴールではない。
大能選手:
「スタートラインに立ったばかりなのでここから首にメダルをかけてあげられるように金メダルをそれで僕のミッションコンプリートって感じです」

大能選手が出場するブレイキンは来月10日に予選から決勝まで行われる。

石川テレビ
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