先週末、長野県内で相次いでクマによる人身被害が発生した。また、5月の目撃情報が例年より多いことから長野県は初めて全県に「ツキノワグマ出没注意報」を発令した。県は山に入る際は「音の出るものを携帯すること」などを呼びかけている

6月に入り人身被害2件相次ぐ

今年、クマの目撃情報が増えている。5月は全県で106件で、平年の1.8倍。また、6月に入り人身被害が2件相次いだ。

こうした状況を受け、県は初めて全県に「ツキノワグマ出没注意報」を発令した。

散歩中の男性が茂みから飛び出してきたクマに襲われた農道(6月3日・箕輪町)
散歩中の男性が茂みから飛び出してきたクマに襲われた農道(6月3日・箕輪町)
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今年度から県民への注意喚起を強化

県は2024年度から目撃件数が例年の1.5倍以上、人身被害が起きたなどの条件で「注意報」を発令し、県民への注意喚起を強化。

また、山にエサが少ない状況で目撃情報が2倍以上、人身被害が起きた場合は「警報」を出し、捕獲の強化などに乗り出すことにしている。

今回は「注意報」の基準を上回った。

阿部守一知事は「県民の皆さんにはクマへの備えをしっかり行ってほしい」と注意を呼びかけた。

資料:クマ
資料:クマ

親子連れで里山に出るクマ相次ぐ

県によると、2023年は山にエサが多く子どもを産んだクマが多いという。

一方で、遅霜で5月以降、エサが不足傾向にあり、親子連れで里山に出るクマが相次いでいるとみられる。

県は山に入る際は「音の出るものを携帯すること」「クマを誘引する生ごみなど外に出さないこと」などを呼びかけている。

注意報の発令は8月末までだ。

資料:クマ
資料:クマ

(長野放送)

長野放送
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