女性漫才師のパイオニア・お笑い芸人の今くるよさんが、膵(すい)がんのため亡くなったことが所属事務所から発表された。
今くるよさんは2015年12月に取材した際、「前にいらっしゃるきょうお越しのお客さんが、何もかも忘れて、この一瞬を楽しんでくれることがわたしの夢ですね。前にいらっしゃるお客さんに喜んでいただきたい、それでずっときました。舞台はいいかげんにできないですよ、絶対」と話していた。
1973年、高校の同級生だった今いくよさんと、漫才コンビ「今いくよ・くるよ」を結成し、お互い派手なファッションなどをネタに軽妙なかけ合いで人気を集め、1980年代の漫才ブームに乗って、一世を風靡(ふうび)した。
「どやさ!」という言葉は、くるよさんを慕う後輩たちがこぞってまねをし、代名詞的なギャグとなった。
1984年に上方漫才大賞を受賞するなど、数々の賞を受賞した他、関西演芸界の発展に貢献したとして2023年、今いくよ・くるよで「上方演芸の伝統入り」を受賞した。
相方のいくよさんは、2015年5月28日に胃がんのため、亡くなっている。
相方の訃報に際して、今くるよさんは、「今、ものすごく寂しいですね。わたしね、だんだん、だんだん、その寂しいのもね薄らいでいくか思ったんです。あ~、いてないことがどんだけ寂しいかっていうのがね」と話していた。
訃報からちょうど9年で、くるよさんの訃報も伝えられた。
所属する吉本興業は、「近年は、いくよが亡くなったあと、ユニットを組んだこともある中川家ら後輩の活躍を楽しみに過ごし、2022年4月、なんばグランド花月で開催された吉本興業創業110周年特別講演『伝説の一日』に出演したのが最後の舞台になりました」としている。
通夜は5月30日、葬儀・告別式は31日に大阪市内で執り行われ、お別れ会の予定は、現在のところないという。