パソコンでの作業中、いつのまにか意図せずインサートキーを押していて、せっかく書いた文章が上書きされてしまった…そんな経験はないだろうか。

そんなキーボードを打つときのイライラを解消できそうな作品が、X(旧Twitter)で話題になっている。

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「要望の多かったインサートキーをロックする名刺。」というコメントとともに投稿されたのは、1本の動画。

キーボードの上に薄い段ボールで作られた名刺があるが、そのパーツを組み立てるとインサートキーにジャストフィット!

インサートキーにはめることで、タイプミスを防げるようになっているのだ。

そして、かぶせた名刺をよく見ると、そこには「DANGER」の文字が…。

指でその端を押すと、パカッと開きインサートキーが顔を出す仕組みだ。

これを作ったトモヲさん(@tomowo_PS2)によると、設計に30分、組み立てに10分、調整と仕上げに20分で仕上げたとのこと。

実用的かつユーモアあふれる作品にユーザーからは「間違えて押しそうなの回避できますね」「これ意外と需要あると思うよ」「insertが危険物扱い…」などのコメントが寄せられ、3万9000件を超える「いいね」がついている(5月16日現在)。

きっかけは「CapsLock」

普段から思い付いたものを楽しい範囲で作ることをモットーに面白いものを作っているというトモヲさん。

今回のアイデアはどこから浮かんだのだろうか?制作過程やこだわりと合わせて聞いてみた。

――なぜ作ろうと思ったの?

きっかけはPCゲーム中に押してしまうと元に戻すのが大変になる「CapsLock」をなんとかしたいと思い、キャップスロックをロックする名刺を作ったところ、インサートキーもロックしたいという方が結構いるようでしたので作ってみました。


――トモヲさんはインサートキーを邪魔だと思うことはあった?

個人的にはインサートキーを邪魔だと思ったことは一回もありませんでした。使ったことも一回もありませんが、、、

すべてが名刺!
すべてが名刺!

――どのようにして作ったの?

まずスマホのメモ書きに手書きでアイデアを描いていき、これなら作れそうかなと思った時点でPCで設計します。ソフトはイラストレーターを使っています。

あとは機械のパワーで設計データをレーザー加工機を通して1mm厚の薄い段ボールをカットし組み立てています。

「せっかくなので浪漫を重視」

――ふたが開くようにしたのはどうして?

CapsLockキーバージョンはシンプルなカバーでしたが、せっかくなので浪漫を重視した可動式のカバーにしてみました。

こだわりはこの「パカッ」
こだわりはこの「パカッ」

――こだわった部分や難しかった部分を教えて。

名刺サイズに収めつつ、いかに大きくパカッと開くかを試行錯誤しています。なんとか90度までは開くことができました。

もっとトライアンドエラーを繰り返せば180度も夢じゃないとは思いますが他にも作りたいのが色々あるので一旦ストップしてます。いつか改良するかもしれません。

お気に入りの作品は?

――実際にこういった名刺を配っている?

直接お会いした時に渡したり、専用の名刺を作りたいといった方に販売とかしたりしますがまれです。

経験上「ああ、あの組み立てる名刺の人ね」と絶大な効果が見込めるので勝負名刺として優秀だと思います。

10年前からこんな感じ
10年前からこんな感じ

――いつごろから作品作りをしているの?

10年以上前にカメラの絞りを再現した名刺を作ったりしており、当時は無かったレーザー加工機を使って何かできないかなと、薄い段ボールを使って立体物が出来上がる名刺を作ろうと思い立ち作り始めました。

すでに100種を超えており我ながらずいぶん作っちゃったなあと思っています。

お気に入りの作品
お気に入りの作品

――これまで作ったものでお気に入りのものは?

お気に入りはνガンダムの胸像です。プラモデルがあまりにもカッコよく、そのまま大きく段ボールで作ってもやっぱりカッコよかったです。

トモヲさん「何故作ってしまったのか謎なのもあります」
トモヲさん「何故作ってしまったのか謎なのもあります」

――投稿の反響をどう思う?

たくさんのいいねはとても励みになったり、次のネタにつながるのでありがたいです。

面白いのは、これはバカウケ間違いなしと思って頑張って作った作品よりも、とりあえず何か投稿しなきゃと適当に作った作品に大量のイイネがつく現象がよくあるので、「量より質」だった考えから「質をある程度維持しつつ量」を作るようになりました。

そんでもってお茶の間の皆様にウケてもらえればうれしいです。

トモヲさんの作品の制作過程はYoutubeにもアップされている。気になる人はそちらチェックしてみると良いだろう。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。