天皇皇后両陛下は、4月23日、赤坂御苑で園遊会を催され、招待された約1400人が出席しました。
園遊会には、秋篠宮ご夫妻と佳子さま、常陸宮妃華子さま、寬仁親王妃信子さま、三笠宮彬子さまと瑶子さま、高円宮妃久子さま、承子さま、そして初めて両陛下の長女・愛子さまが出席されました。
園遊会は、両陛下の主催と言うこともあり、皇族のみなさまだけでなく、宮内庁の職員たちも心を込めて出席した人たちをもてなす行事です。
園遊会グルメ
今回、飲食については、これまでの感染対策を一部緩和し、軽食が用意されました。
この記事の画像(13枚)まず、オードブル5種類。サーモン、パイ生地にキャビアをのせたもの、うずらのファルスという詰め物、牛ロースにマッシュルーム、そしてチーズをハムで巻いたもので、この5種類は変わらず提供されてきたと言うことです。
そのほか、サンドイッチ、海苔巻き、ちまき寿司、3種類の季節のプチケーキやクッキーなどの洋菓子、ナッツなどの乾き物、そして御料牧場製品でした。
この御料牧場の乳製品は、御料牧場で育てられた鳥の燻製やポークウインナ、ゴーダ-チーズなどを持って帰ることもできるようにパッケージで提供されました。
長年宮内庁担当として取材してきた私たちにとって、園遊会の食事と言えば必ず名前が挙がるのが、御料牧場で育てられた羊と鶏を使ったジンギスカンと焼き鳥ですが、今回は提供されませんでした。この2つが提供されたのは、2018年の秋の園遊会が最後となっています。
いずれも食事を担当する大膳課が引き継いできた味で、今回もテントから立ち上がる煙と匂いがないのは残念でした。
奮闘する宮内庁職員
宮内庁の職員たちは、入り口で招待客の名前をチェックすると共に、名札を一人一人に付けていきます。そして場内の案内係を務める職員たちは、記念写真を撮るのをサポートし、みなさんのカメラを預かって撮影していました。
さらに、車椅子で出席した方もサポートします。実は、御苑内の道は砂利で、芝生の場所は平らではなく、同伴者も押していくのに苦労します。そんな姿を見ると、案内担当の職員は力を見せていました。
そして、雨が降り出すと、傘を持っていない招待客に、宮内庁の刻印がはいった傘を手渡していきました。
苑内の音楽は、皇宮警察の音楽隊による吹奏楽、宮内庁楽部による雅楽の調べを生演奏で聞くことができます。ただ、今回は一時小雨模様となったため、雅楽演奏は途中で終了してしまいました。雅楽に使う楽器は水に弱いのです。
苑内の植物は、庭園課という部署が管理していて、春の植物たちが、招待客の目を喜ばせてくれました。
この時期咲いていた桜は「フゲンゾウ」という八重の桜。一の橋の袂には、コデマリが風に揺れていました。また、ツツジは、ヤマツツジにクルメツツジが咲き誇っていました。
こうした植物は宮内庁のインスタグラムにも掲載されました。
雅楽を演奏する楽師たちの前には「カキツバタ」、楽師が演奏するすぐそばの藤棚には見頃を迎えた立派なフジが。
大池や中の池の風景とのコントラストは、訪れた人たちの心を和ませてくれているようでした。
そして何よりも、招待された人たちを喜ばせてくらたのが、皇室の皆さまのお姿でした。
愛子さまに「頑張って下さい」の声も
三笠宮家の瑶子さまは、足におけがをしたということで、苑内には降りず、拝謁だけで、常陸宮妃華子さまは杖をつきながら苑内へと降りましたが、途中で退出されています。
それでもほかの皆さまは、苑内を歩き、たくさんの方々と交流をもたれました。
初めて園遊会に出席した愛子さまは、「緊張しています」と話をされました。しかしその素直なお話に、相手の方も自然と笑顔もこぼれ、「頑張ってください」と話しかけていました。
去年の春の園遊会にデビューした佳子さまは、愛子さまともお話をしながら、苑内を回られていました。
両陛下のお出まし直前に小雨模様となりましたが、皆さまが姿を見せられてからは雨も降ることなく、招待客も、両陛下のお気遣いを感じながら、園遊会の雰囲気を楽しんでいたことでしょう。