新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、接種後に死亡した男女の遺族や後遺症を発症した人など13人が、国を相手取り集団提訴した。遺族らは、ワクチンの危険性を広報しないまま接種を推進したことは問題だと訴える。
息子亡くした男性「ワクチンを打たされて殺された」
世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス。
この記事の画像(33枚)ワクチンを接種した後に、死亡した人の遺族、後遺症を発症した13人が17日、国に総額9152万円の損害賠償を求め、東京地裁に集団提訴した。
2回目の接種を終えた3日後に、息子を亡くした父親は、「国の責任は重大だと思います。息子はワクチンを打って亡くなったのではありません。ワクチンを打たされて殺されたと思っています」と訴える。
訴状などによると、国がワクチン接種を新聞広告やCMなどを使って広報し、接種を強力に推し進める一方で、重篤な後遺症や死亡例などのマイナス情報については、国民に事実上、広報しないまま接種を推し進め、被害を拡げたことへの責任を問うとしている。
訴状では、国が作成した、ワクチン接種を呼びかける広告に言及。
2021年の5月9日と10日に全国紙などで呼びかけられたワクチン接種の広告には、副反応について、死亡例があることは記載されていない。
また、6月11日に総理官邸のホームページに掲載された、広報には「新型コロナワクチンは、高い効果が認められています」「ワクチン接種によるメリットが、副反応のリスクより大きいため、接種をお勧めしています」と記されている。
しかし原告側は、その根拠が何も示されていないと主張している。
当時の菅首相が、新宿区の病院でワクチン接種を受けた際、ワクチン接種の重要性を、こう訴えていた。
「ワクチン接種は発症予防とか重症化予防に効果が期待されていますので感染症対策の極めて重要なものです。これからワクチンをさらに多くの全国民の皆さんに、1日も早くお届けしなければならないと痛感した」
世界に知られた始まりは中国・武漢の集団肺炎
新型コロナウイルスが、世界に知られた始まりは2019年12月。
中国・武漢市の原因不明の肺炎の集団発生だった。
その後、2020年2月には欧米でも流行し、ニューヨーク市などでは重症例も多いという報道が相次いだ。
その頃、日本でも、横浜・大黒ふ頭に寄港したダイヤモンド・プリンセス号の船内で集団感染が確認された。
その後、変異を繰り返しながら、新型コロナウイルスは世界中で猛威を振るい、街から人の姿が消えるなど、その日常は一変した。
その対策の切り札として登場したのが、ワクチンだった。
下半身不随の男性「私の健康な体を返してください」
ただ、今も後遺症に苦しんでいるという男性は、こう訴える。
「現在は下半身不随で全く使いものにならず、また排泄障害、記憶障害、睡眠障害、ブレインフォグ(考えがまとまらないなど)上半身の痛みなど後遺障害が残りました。はっきり言います。私の健康な体を返してください」
被害を訴える原告側の青山弁護士は、集団提訴に踏み切った理由を、こう述べた。
「国民はワクチン接種について、自分自身で決めるための情報を与えられないまま接種を決め、そしてある方は長引く後遺症に悩まされ、ある方は数日のうちに突然の死を迎えたのです。国がこの3年間続けてきた、新型コロナウイルス接種に関する、国民に対する数々の不正義を正すというのが、今回の集団訴訟の目的です」
(「イット!」 4月17日放送より)