千葉県市原市議会の前議長に、セクハラ疑惑が浮上。
「握手」がセクハラと認定された背景には、何があったのだろうか。
女性議員は「手を握る意味がない」
5日、「イット！」の取材班が直撃したのは、千葉・市原市議会の永野喜光前議長の自宅。
永野氏は、女性市議に握手をしたなどとするセクハラ疑惑の渦中にある。
永野喜光前議長：
握ってる時間だとか、覚えていないですよ、正直。だけど、握手ですからね。自然的な握手だと思っていますから。
取材班：
当時もこういう握手だったっていうことですよね？
永野喜光前議長：
ええ。
問題が起きたのは、2024年2月に市原市内のホテルで行われた祝賀会。
女性市議が、永野前議長から握手をしたり、顔をなでられるといったセクハラ行為を受けたなどとして、申し立てを行った。
議会は政治倫理審査会で事実関係を調査し、長野前議長の行為をセクハラと認定。
5日午後に「議員辞職を勧告すべき」との意見を添えた報告書が提出された。
辞職勧告が出たまさにそのとき、取材班は長野前議長を取材していた。
永野喜光前議長：
酒はね、私はすぐ赤くなるんですけどね、弱いんですよ。
取材班：
（宴会の）2時間の記憶はすべてあるわけですよね、明確に？
永野喜光前議長：
ありますよ。
審査会がまとめた報告書では、女性議員との握手について、こう記されていた。
審査会の報告書：
女性議員は立ったままの状態で話を始め、永野議員に手を取られ、その手を両手で握られた。この時、女性議員は「何で手を握るのだろう」「手を握る意味がない」という印象を持った。
このときの握手について、長野前議長はこう説明している。
取材班：
どっちがどう手を出した？
永野喜光前議長：
それは覚えていないですけども、通常私だと思いますよね。
取材班：
相手もきっと片手で？
永野喜光前議長：
覚えていないが、握手したことはね、これは意識して「頑張ってもらいたい」ということで話しましたから。そっちの思いが強かった。
一方、宴会に出席した別の市議の取材では「永野氏は20秒間ほど手を握っていた」との証言も出ている。
永野喜光前議長：
私とすれば、時間まで覚えていませんし、通常だったら2、3秒、数秒だというふうに思いますが、そこで会話がありますからね。だからその分は多少違うのかなと言われればそう思いますよね。
「あごを触った」疑惑については明確に否定
さらに、女性市議の顔を触ったことについては…
審査会の報告書：
（永野氏は）無言で女性議員の顔に手を伸ばした。女性議員は触られないようにするため体を反らしたが、永野議員は手のひらで女性議員の顔（あご）を触った。
この「あごを触った」との指摘について、永野前議長は明確に否定している。
永野喜光前議長：
顔は触っていません。女性の顔ですよ？化粧している顔触ったら、やっぱりそこで「何すんのよ」って言うでしょう。ないということはね、はっきり言わせてもらいます。
辞職勧告に法的拘束力はないが、永野前議長は今後について「辞職するつもりはない」と語った。
永野喜光前議長：
今までみたいにこういう社交辞令をしていたことを、自分なりに反省して多少狭めるということは考えていますし、反省点もございますけれども、辞職するつもりは全くありません。
青井実キャスター：
今回セクハラと認定された行為はいくつかあるわけですけれども、そのひとつが握手ということになりました。
握手がセクハラ認定された理由について、女性市議は「何で握るのだろう」という風に感じていたということです。
橋下徹氏：
政治家同士の握手ってことであればこれは通常あることなんです。どういうことなのかなと思って審査結果報告書の中を見てみると、ご本人は否定はされてますけども、握手だけじゃなくて、酔った状態で顔を触った後、「口説いてやったよ」っていうことを周辺に言っていたと。これが合わさってのセクハラ認定なので、単純に握手だけでのセクハラっていうことではないと思うんですけどね。
遠藤玲子アナウンサー：
前議長は否定されてますけど、相当親しい関係でも顔を触るという行為はなかなかないので、セクハラというふうに相手が取ってしまうというのは、そうだろうなという風に思います。
橋下徹氏：
「握手でセクハラ認定」ってなると、ちょっと誤解を生んでしまうから、それだけではないということですよね。
青井実キャスター：
いずれにしても、お酒の席であるのであれば、いろいろ配慮が必要になってくるわけですよね。
橋下徹氏：
だからもう、お酒の場で他人の体に接触するってことはもう絶対に駄目ですよ。肩組んだりとか何とかって学生時代いろいろあったかもわかんないけど、もう駄目ですね。
市原市議会は近く臨時議会を開き、辞職勧告について審議する見通しだ。
（「イット！」4月5日放送分より）
