合計8540円分の「キセル乗車」を繰り返し、JR東日本から134万7600円を請求された50歳男性。不正乗車をした場合の規則に則り、定期券の開始日から遡り請求されたことによって、高額になったという。単純計算で150倍以上請求となるが、何があったのか詳しく解説する。

事前に切符を用意…キセル乗車繰り返す

8540円分の不正乗車「キセル」を繰り返した茨城県男性職員(50)に対し、JR東日本は134万7600円の請求を行った。

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男性は自宅最寄りの水戸駅から乗車し、出張先の高萩駅で下車する際に、通勤定期外となる常陸多賀駅からの420円分の運賃を支払う必要があった。

しかし、男性は事前に準備していた高萩駅~南中郷駅間の190円分の切符で下車し、差額である230円分を不正していたというものだ。

この男性は2023年9月から10回程度不正乗車を行い、さらに、グリーン料金1040円を払わずに、グリーン車に6回程度不正乗車したことも発覚したため、不正金額は合計約8540円になった。

定期開始日から“約8カ月分”請求

切符を準備するなど用意周到な印象を受ける。
それでは、なぜ134万円を超える金額を請求されたのだろうか。その理由をJR東日本に聞いた。

乗車区間の運賃は、この男性の場合は水戸駅~高萩駅間となるため「860円」で、これが往復分請求されるため「1720円」になる。

高額となったポイントは、“定期券”で、男性は2023年9月以前は不正はしていなかったと説明しているが、定期券は4月から使える定期券だったため、発覚した日までの約8カ月分の請求となる。

またJR東日本には、不正乗車をした場合は規則で「乗車した区間の運賃の3倍の料金を求める」という規則があるため、算出した金額が3倍になり、さらにグリーン車の不正乗車分を足した金額が、134万7600円ということになった。

なぜ、定期券の期間で算定されるのだろうか。

JR東日本によると、個別案件には答えられないとしながらも、一般的に定期券で不正を行った場合「定期乗車券の効力が発生した日(開始日)まで遡って請求を行う」という規則があるため、不正をした日がたとえ1日であっても、遡って請求される可能性があるという。

なお、男性は刑事責任に問われることはなく、即日支払いを行なったという。
(「イット!」 5月16日放送より)

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