中国・広州市にある公園で撮影された映像。人々がズラリと貼られた紙を眺めている。

“婚活チラシ”を眺める人々
“婚活チラシ”を眺める人々
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向かい側にもある貼り紙に書かれているのは、結婚相手を探す人のプロフィールや相手に求める条件。いわば“婚活チラシ”だ。映像には「どこで働いているの?マイホーム持ち?」という声も収められていた。

中国で今、何が起きているのか。

7年連続で出生数が減少 結婚件数は10年前の約半分に

3月11日に最終日を迎えた中国の全人代=全国人民代表大会。今回は、政府活動報告に出産、子育て、教育の負担を減らすことが盛り込まれた。

3月11日、最終日を迎えた全人代
3月11日、最終日を迎えた全人代

国がこうした方針を打ち出した背景にあるのは、急速に進む少子化だ。

2022年の結婚届け出数は10年前の約半分に
2022年の結婚届け出数は10年前の約半分に

2023年の出生数は、中国建国以来最も少ない902万人にとどまり、7年連続で減少。2022年の出生率も1.07と日本をも下回っている。さらに結婚の件数も下がっていて、2022年の結婚届け出数は10年前の約半分だという。

北京市では道の端に“婚活チラシ”が並んでいた
北京市では道の端に“婚活チラシ”が並んでいた

そうした中で目につくのが、熱心に子供の婚活に取り組む親の姿。北京市では道の端に“婚活チラシ”がずらりと並べられていた。

本人のプロフィールとともに、相手に求める条件が書かれていた
本人のプロフィールとともに、相手に求める条件が書かれていた

そこには「女性、1978年生まれ、医者。男性への条件、大卒、安定した仕事あり、真面目」と本人のプロフィールとともに、相手に求める条件が書かれていた。そうした内容を吟味しながら、我が子の結婚相手を探す親の姿が多く見られた。

40代の息子の結婚相手を探しに来たという父親に話を聞くと…。

「家庭状況が合わなかったりしてダメでした」という
「家庭状況が合わなかったりしてダメでした」という

父親:
結果はですね、お互い話がかみ合わなかったり、家庭状況が合わなかったりしてダメでした。

中国のSNSには、こうした“マッチングコーナー”の様子が方々から投稿されていた。

公園の“マッチングコーナー”にあった婚活チラシ
公園の“マッチングコーナー”にあった婚活チラシ

広州市の公園にあるマッチングコーナーに貼られていた婚活チラシには「エンジニア職、身長178cm」など、男性側の紹介文とともに相手に求める条件が記されていた。

相手に求める条件は…
相手に求める条件は…

「87年以降生まれ、北京で就職、男性と同棲した経験なしの一人っ子女性を探しています」

浙江省の公園にはドレスをまとった女性も
浙江省の公園にはドレスをまとった女性も

また浙江省の公園では、ドレスをまとった女性が、自身の写真付きのプロフィールボードを持ってPR。

深刻な少子化やそれに伴う労働人口の減少は、中国社会に暗い影を落としている。
(「イット!」3月11日放送)

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