アメリカのバイデン大統領は7日、今後1年間の内政や外交の施政方針を示す「一般教書演説」に臨み、秋の大統領選に向けて共和党・トランプ前大統領との対決姿勢を強調した。

「プーチンに『好きなようにやれ』と…言語道断だ」

7日、アメリカ・ワシントン。バイデン大統領は演説の中で、トランプ前大統領がNATOの加盟国をロシアの侵攻から防衛しない可能性に言及したことを引用し、非難した。

「共和党の前大統領は、プーチンに『好きなようにやれ』と言った。アメリカの前大統領がロシアの指導者に頭を下げて実際にそう言った。言語道断だ。危険で容認できない」

この記事の画像(11枚)

さらに2021年の連邦議会襲撃事件や、トランプ氏がいまだ敗北を認めない4年前の大統領選挙について、「嘘や選挙を盗もうとする陰謀は、南北戦争以来の民主主義の脅威だ」と訴えた。

一方、トランプ前大統領は、演説中に自身のSNSに「バイデンは狂っている」「言葉がスムーズに出ていない」「バイデンは民主主義の脅威だ」などと批判する投稿を繰り返した。

CNNなどの調査では演説後評価上昇

秋の大統領選を見据え、同じ時間帯に批判が飛び交う異例の展開となった。バイデン氏の演説を取材センター室長・立石修はどう見たのだろうか。

バイデン氏については、認知機能の問題であるとか、言い間違いの問題が指摘されてきた。しかし、会場に入る際の映像を見ているかぎり、表情も豊かでしっかりしていて、大きな言い間違いもなかった。

CNNなどの調査によると、演説後の方が評価が上がっているということで、今回の一般教書演説については成功だったと言えるだろう。ただし、選挙戦はこれからなので紆余曲折が予想される。

トランプ氏はバイデン氏に公開討論会をやるように積極的に仕掛けてきており、直接対決の行方が注目されている。
(「イット!」 3月8日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)