2017年は、トランプ大統領就任や北朝鮮のミサイル、天皇陛下退位の決定や眞子さま婚約、働き方改革や小池旋風、衆議院議員選挙など様々なことがあった。

2018年は一体どんな一年になるのか。

今回は、フジテレビ皇室担当の解説陣による座談会、第4回目。

皇室の皆様は、各々が自分のフィールドを持って研究を続けていると言う。その研究の内容とは?

陛下がタヌキの糞をご自身で採取して研究

宮﨑千歳:
皇室の皆さまは、各々が自分のフィールドをもって研究を続けていらっしゃいますね。
陛下もそうですよね。皇后さまも児童書と長く関わられ、黒田清子さんもいまだに鳥類の研究を続けているんですね。

橋本寿史:
昭和天皇はヒドロを研究、現在の陛下はハゼですね。

宮﨑:
タヌキの糞も研究されましたね。糞から皇居の植生を調べる。
タヌキは同じ場所にフンをする、トイレみたいな場所をいくつか持つ習性があることがわかっていて、陛下は何年間も同じ場所に同じ時間に糞を採集に行き、それを冷凍保存し、お時間がある時にそれをざるで洗うと、食べたものの種子が出てくるんですね。
何月何日の糞には何と何の種があったかを分析し、そのタヌキが年間を通じて何を食べているのかということを明らかにしようと、2016年には、論文も書かれました。

橋本:
以前に一回論文出されていて、2回目の研究ですね。

宮﨑:
今回は、より季節ごとの植生を明らかにして、その結果分かったことは、皇居のタヌキは皇居の食べ物だけで一年中食べていけるということ。タヌキが必要とする植物がきちんと皇居には棲息している。皇居の自然を調べておきたい、という思いからですね。
都内のタヌキは、皇居のタヌキとか赤坂のタヌキとかいくつかグループがあるそうですが、皇居のタヌキは糞から植物以外のものが出てこないので、ほぼ皇居内で生息しているようです。

宮﨑:
毎週、自ら糞を取りに行かれ、忙しい日はスーツのまま取りに行かれて冷凍されていたそうです。地方訪問で不在のときだけはお付きのかたにをお願いされたそうで、基本的にご自分でされる。
やると決めたらやるという方だと聞いているので、ある程度の期間きちんと調べないと真実は見えてこないという科学者としての姿勢ですね。

 
 
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関心事について熱心に調べる姿勢は脈々と受け継がれている

宮﨑:
きちんと調べて正しいことを知りたいという根源的な思いは強く、昭和天皇は菌類の研究をされていて何かわからないことがあると書庫に行っていろいろ調べていらっしゃったと聞きます。昭和天皇と今の陛下が一緒に書庫に入っていろいろ調べ物をしているところを、皇太子さまが小さい時に一緒に行かれたことがあって、疑問点はきちんと調べる姿勢や、本を開いて楽しそうにしているところが印象に残っているそうです。
皇太子さまは水の御研究をされていますが、研究する姿勢や研究の楽しさを親子代々見て学んで受け継がれてるんだと思いますね。

橋本:
眞子さまは博物館学ですが、佳子さまはテーマをこれから見つけていかれる時期ですね。

宮﨑:
イギリスでは、舞台芸術を学ばれています。
愛子さまは古典や歴史はお好きみたいですね。皇太子さまが歴史の専門ですから、親子で調べてお話されたり、脈脈と受け継がれる面はあるんですね

秋篠宮さまは鶏の家禽化についての研究を

橋本:
秋篠宮さまの研究は昔はナマズ、今は鶏です。どのように鶏が家畜となっていったのか、原産の鶏がどうだったとか、鶏の家禽化について研究しておられます。

宮﨑:
マーラという大きいネズミや犬も飼ってらっしゃいます。眞子さまが幼いころに軽井沢で犬がお顔に飛んできた時に泣かなかった場面がありましたが、小さい時から動物と一緒にすごしてきたという環境故のことですね。

 
 

イラスト=さいとうひさし

社会部
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今、起きている事件、事故から社会問題まで、幅広い分野に渡って、正確かつ分かりやすく、時に深く掘り下げ、読者に伝えることをモットーとしております。
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