天皇皇后両陛下が、3月下旬に石川県の能登半島地震の被災地を見舞われる方向で調整が進められていることがわかった。両陛下は、被災地の方々の負担も考慮し、訪問時期を見極められてきた。
両陛下が災害の被災地を訪問されるのは、2019年12月の宮城県と福島県以来、即位後2回目となる。

「被災地を第一に」

天皇皇后両陛下は特別機で能登に入り、自衛隊のヘリコプターを利用して輪島や珠洲などを見舞われる方向で調整が進められているという。

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両陛下は被害状況に深く心を痛め、災害対応の支障にならない時期に訪問を希望されていて、現地の負担を考慮し、日帰りの日程が検討されているという。

このニュースについて、フジテレビ社会部デスクの上法玄解説委員がお伝えする。

── 両陛下は1月1日の発災から、どのような思いで過ごされてきたのでしょうか?

両陛下は被害の深刻さや被災者の置かれた状況に深く心を痛められ、そうした思いもふまえ、発生翌日の新年一般参賀は中止となりました。

なるべく早い時期に現地への訪問を希望されていましたが、その一方で、災害対応が最優先であり、ご自身が現地入りすることで影響が出ないよう気遣い、時期を見極めてこられました。

両陛下がお見舞いされることで元気づけられる被災者の方も多いと思います。
ただ、あくまで被災地の負担にならないように、「被災地を第一に」ということです。

6日、皇居・御所で両陛下は、地震のメカニズムや政府の対応などについて説明を受けられましたが、これについても地震に対応する担当者の業務に支障のないタイミングを配慮されて行われました。

また、23日の天皇誕生日には一般参賀が行われますが、両陛下の被災地への思いをふまえ、大声での「バンザイ」の歓声を控える形での開催です。

こうして段階を経ながら、ようやく現地とも調整に入り、3月下旬にも訪問される見通しとなりました。

道路状況踏まえてヘリ移動に

── 現地入りに向けて考慮されたのは、どういった点だったのでしょうか?

まずは「自治体が受け入れ可能かどうか」に加え、側近によりますと、両陛下は「被災した方たちの心の受け入れ」についても気遣われているということです。

また、道路の寸断などをふまえ、現地での移動は主に自衛隊のヘリコプターを利用し、現地の負担を増やさないよう、日帰り訪問となる見通しです。

両陛下は、常に被災地に心を寄せられてきた中で、被災した方々、災害に対応する方たちの負担も考慮したうえでの訪問ということです。
(「イット!」 2月21日放送より)

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