今年も花粉症の季節がやってきたが、親の4割が、子どもが花粉症だと把握していることがわかった。

ロート製薬株式会社が0歳〜16歳の子どもがいる7131人を対象にアンケート調査を行い、結果を2月9日に公開した。

この中で、自分の子どもが「花粉症と診断された」または「花粉症だと思う」と答えた親は42.6%。これは10年前に行った同様の調査結果の32.7%と比べて、9.9ポイント増えていたという。

(出典:ロート製)
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特に小学生の子どもがいる親だけに絞ると、子どもの花粉症を実感している人は47.4%で、発症した年齢の平均は入学前の平均5.8歳だった。

小学生の症状の最多は「鼻水」

親を通して、花粉症の小学生にどんな症状があるか聞いたところ、最多は「鼻水(85.5%)」で、次が「目のかゆみ(67.1%)」となった。また花粉症の影響については、「授業など勉強に集中できない」と答えた子どもは全体の約4人に1人にあたる24.9%で、過半数の53.9%が日常生活で何らかの影響があると答えている。

(出典:ロート製)
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一方、このアンケート調査によって、花粉症の子どもが感じている症状のうち把握していない症状があった親は30.9%。

同様に、花粉症の子どもが感じている「日常生活への影響」についても、把握していないものがあったという親は51.8%にのぼったという。

結果について同社は「一緒に暮らしていても、子どもが『鼻水』や『目のかゆみ』を感じていること、また実は花粉症のせいで勉強や遊びに全力投球できなかったり、夜によく眠れていないことに親が気づいていない現象が発生しているようです」とまとめている。

子どもの花粉症対策は「マスクの着用」が最多

そして親が子どもにしている花粉症対策は「マスクの着用(60.9%)」が最多。一方、花粉症の小学生が感じる症状の2位だった「目のかゆみ」への対策は、「病院で処方された目薬の使用(35.5%)」「メガネの着用(22.6%)」「市販の目薬の使用(9.6%)」と優先度が低いようだ。

このような子どもの花粉症対策をしている親は、全体の71.8%だったが、逆に親の約3割が対策をしていないことも明らかになった。

(出典:ロート製)
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なお、子どもの花粉症がこの10年で32.7%から42.6%に増えた原因について、同社のリリースにコメントを寄せた日本医科大学の大久保公裕教授は次のように解説している。

「原因として、ひとつは子どもの生活環境の変化が挙げられます。今の子どもたちは外で遊ぶことが減り、細菌に触れる機会が少なくなっていることによって免疫が変化し、本来は害がない花粉に免疫反応を起こしていると考えられます」

「もうひとつは、今の子どもの親世代の花粉症発症率が高いことです。親子で体質が似ることによって花粉にアレルギー反応を示す子どもが増えていると考えられます」

このような状況がわかったわけだが、なぜ子どもの花粉症対策をとっていない親がいるのだろうか?また子どもの花粉症に気づくにはどうしたらいいのか?ロート製薬の担当者に聞いた。

「風邪」と間違えていることが一因

――子どもの花粉症を実感している親が、10年前より増えて42.6%になったことをどう思う?

約2人に1人が花粉症を実感しているということで、花粉による症状に悩む方が多くなっている深刻な状況と感じるとともに、症状を重症化させないための早期の対策が必要であると感じています。


――子どもの花粉症対策をとっていない親がいることについて、どんな理由が考えられる?

今回の調査で明らかになった、子どもの花粉症の日常生活への影響を把握しきれていなかったことや、具体的な対策方法をご存知でない方もいらっしゃるのではないかと考えています。


――子どもの花粉症に気が付かないことは、どんな理由が考えられる?

症状の似ている風邪と誤認してしまうことが一つの理由ではないかと考えております。


――子どもの花粉症に気づくためには、子どもの花粉症を予防するにはどうしたらいい?

お子さんが目を頻繁に擦っていないかなどを観察頂くこと、また予防に関しては専門の医師に相談し適切に対応頂くことが求められるかと思っております。

今や国民病とも言われ、昨年度からは花粉症に関する関係閣僚会議も実施されるなど花粉症への対応が国策としても課題となっております。弊社としましても、こうした情報提供を通して少しでも花粉に悩む人が対策・解決策をみつけ、重症化させないための啓発活動を行ってまいりたいと思っております。

(画像はイメージ)
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大人は花粉症の症状を理解し人に伝えることもできるが、子どもはそうではないのかもしれない。子どもの様子をよく見て、花粉症なのか気をつけていただきたい。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。