フランスで8日、日本人約40人を乗せたバスが、観光地のモンサンミシェルへと向かう途中で側溝に転落する事故があった。
事故の瞬間と救出までの緊迫の50分を捉えた映像を、独自に入手した。

「宙に浮いているような状態だった」バスが側溝に転落

事故は、パリから約300km離れた世界遺産の島・モンサンミシェルを日帰りで巡る、日本人向けツアーの道中で発生した。

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フランスを代表する人気観光地の1つ、モンサンミシェル。その姿を車中から撮影していたバスの乗客は この直後、予想だにしていない事態に巻き込まれる。
バスが側溝に転落したのだ。

事故当時 車内にいた島田豊恵さんは、「わたしの目の前にいた補助の運転手さんが飛んでいってしまって、反対側の座席の人は本当に宙に浮いているような状態だった」と話す。

この日、約40人の日本人らを乗せたバスは、午前7時過ぎにパリのオペラ座前を出発。そこから4時間余りをかけ、あと3kmほどで目的地モンサンミシェルに到着というタイミングで、バスが事故を起こした。

このバスに、たまたま乗り合わせていたフジテレビの元社員・島田豊恵さんが証言する。

事故当時車内にいた島田豊恵さん:
(事故は)あと10分で着くというところでした。(ガイドが)モンサンミシェル見えました、写真撮影いかがみたいなとこで、ガタンガタンってもう倒れてしまったと

映像には、バスが転倒した直後の混乱する乗客が、「痛い、大丈夫?頭打った」と話す声や、ガイドが「大丈夫ですか?」と気遣う声も記録されていた。

バスの窓ガラスを割って乗客を救出

乗客の多くはシートベルトをしていたため、大きなけがはない様子だった。

しかし、バスが傾いてドアが開かない状態で、乗客は何かにつかまりながら、斜めのままで耐えている状態だったという。

このとき外からバスを捉えた映像を見ると、車体の左側が宙に浮き、大きく斜めになっている。右側の車輪が側溝に落ち、ほぼ横倒しになっているのだ。乗客の中には、必死にバランスを取ろうと、手すりに手を伸ばしている人もいた。

やがて救助隊が到着したが、それでもすぐにはバスの外に出ることができなかった。ドアの開閉ができないため、窓ガラスを割り、そこから乗客を脱出させようとしていたのだ。

現場にいた島田さんは、「パシャンと窓を割って、そこからみんな徐々に脱出しました」と証言した。ようやくバスの外に出た乗客は、安堵からか抱き合う姿もあった。

事故発生から救出されるまでの緊迫の50分。
現地の消防によると、この事故で14人がけがをしたという。
(「イット!」2月9日放送より)

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