国立奈良教育大学附属小学校で履修漏れなど不適切な授業が長年行われていた問題で、文部科学省は全国の附属学校を設置する国立大学に対し、同様の事案がないか点検を求める方針を固めた。
この問題は国立奈良教育大学附属小学校で、9つの教科で国が定めた学習指導要領に沿わない授業が行われていたほか、国の検定を受けた教科書が十分に使われていなかったもの。
盛山文科大臣はけさの会見で、「大変遺憾。重く受け止め、国立奈良教育大学附属小学校には回復措置を指示した」と述べた上で、全国の附属学校を設置する国立大学に対し、注意喚起をすると共に、今年度中に点検を行い同様の不適切な指導が行われていないか確認を求める方針を明らかにした。点検の対象は幼・小・中・高。
文部科学省は19日にも全国の附属学校を設置する国立大学に通知を発出する方針。
奈良教育大学は不適切な指導が起きた要因として、長期にわたり公立小学校との人事交流がなかったことや、教員が校長の意向に協力的ではなく、ガバナンスが不十分だったことなどを挙げている。