■「是正命令書」国交省からダイハツ社長へ手渡される

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ダイハツ工業が車の試験で不正を行っていた問題で、国土交通省は3つの車種について大量生産に必要な「型式指定」を取り消すことを決定し、 16日午後4時すぎ、抜本的な改善を求める是正命令を出した。

斉藤鉄夫国交相:
二度とこのような不正を行うことのないよう、再発防止に真剣に取り組んでください。

16日午後4時すぎ、斉藤国土交通大臣は組織の抜本的な改善を求める「是正命令書」をダイハツの奥平社長に手渡した。

ダイハツ 奥平総一郎社長:
しっかりと受け止め、重大なことだと認識し、社員全員で改善に努めてまいります。

■試験不正を行っていたダイハツ 国内全ての工場で車の生産を停止

ダイハツをめぐっては、国の認証に必要な試験において現在、生産・開発をしている全28車種などで不正を行っていたことが分かり、国内全ての工場で車の生産を停止している。

国土交通省はダイハツへの立ち入り検査を実施していたが、特に悪質な不正が確認されたとして「ダイハツ・グランマックス」、ダイハツが製造しトヨタが販売している「トヨタ・タウンエース」、ダイハツが製造しマツダが販売している「マツダ・ボンゴ」の3つの車種について、大量生産に必要な「型式指定」を取り消すと明らかにした。

斉藤鉄夫国交相:
この行為は自動車認証制度の根幹を揺るがす、ひいては日本の製造業の信頼性に関わる大きな問題だと。

生産を再開するためには再び「型式指定」の認証を受ける必要がある。国土交通省によると、通常は申請から認可まで2カ月ほどかかるが、今回の不正を受けて通常よりも長い期間かけて厳しく審査するため、生産停止は長期化する見通しだ。 ダイハツは「型式指定」が取り消された車種について、社内試験や第三者の審査を通過していることから、これまで通り安全に乗ることができるとしている。

一方、国土交通省は1月9日から安全基準に適合するかの確認試験を行っていて、仮に不適合が見つかった場合はリコール対象にするなどの対応を行うという。確認試験の結果は順次公開するとしていて、安全基準に適合していた場合は、早ければ1月中にも生産再開を認める可能性もある。

■ダイハツ社長「新しい仕事の在り方、組織の在り方…しっかり検討」

ダイハツの奥平社長が会見を行った。
ダイハツ 奥平総一郎社長:
新しい仕事の在り方、組織の在り方、体制といったところは、今回是正命令を受け取ったばかりでございますので、しっかりと検討させていただき、1カ月以内にご報告させていただき、公表してまいりたいと思います。
 (Q他の車種でも型式指定が取り消される可能性は?)型式指定の取り消しをいただいたところですので、内容はしっかりと受け止めて、確認させていただきますが、その他のモデルについての可能性があるかどうかはわれわれがお答えできるようなことでございませんので、しっかりと国土交通省のご指導・監査に従って行動させていただきたいと思います。

■「あまりにも悪質でコンプライアンス意識が欠如」と弁護士

ダイハツによる不正の波紋が広がっている。大量生産に必要な「型式指定」を取り消す手続きに入ったのが3車種。

・ダイハツ グランマックス
 ・トヨタ タウンエース
 ・マツダ ボンゴ

特に悪質な行為とはどのようなものだったのか。不正の一つとして明らかになっているのが、エアバッグの試験において、本来センサーで衝突を検知して作動させるところを、タイマーで作動させていたという。

ダイハツに対して企業としての責任は問えるのだろうか?
萩谷麻衣子弁護士:
問われなければおかしいと思います。あまりにも悪質で、コンプライアンス意識が欠如している。車は多くの人が身近に乗るもので、人命に直結するものです。型式指定の取り消しというのは、道路運送車両法上もっとも重い行政処分なんですけど、またすぐに認可の再取得を目指すのだと思います。でも簡単には取得させないようにして、コンプライアンス、ガバナンス、それから企業風土を抜本的に立て直せるのか、そこをしっかり見てもらいたいです」 型式指定取り消しになると、生産停止が長期化する見通しということですので、下請け企業などへさらなる影響が懸念されます。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年1月16日放送)

関西テレビ
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