能登半島地震発生から1週間。今も2万8000人以上が避難生活を余儀なくされている。水も足りない苦境と被災した人々はどう向き合っているのか。関西テレビ・吉原キャスターが現地を取材した。

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石川県では、冷たい雪が降り続き、崩れた建物を覆って、捜索や復旧の作業に手を付けられずにいる。死者は168人、行方不明者は323人となっている。
吉原キャスター:
7日から輪島市では大雪があって、10センチ以上の積雪が観測されました。

■発災から1週間 避難所が満員で“農業用ハウス”に避難した人も

8日、被害の大きかった輪島市で、取材した農業用ハウスにいたのは、この地域に暮らすおよそ10人。夜になるとさらに増えて、20人になるという。地震が発生した1月1日からここに避難していると話す。

--Q:避難所が埋まってしまって、こちらに避難したのですか?
農業用ハウスに避難する人:
そう。地震自体は1日にあったので、急きょここに思い付きで来ただけ。みんな知ってる人で気兼ねなし。知らんとこ行ったらお互いに気を遣うから、それもストレスになったりするかなと思ってね。

--Q:農業用ハウスでの生活はいかがですか?
農業用ハウスに避難する人:
快適とは言えんけど、気心しれとる人ばかりなので、まだそんな点はいいかなと。自分の家が半倒壊という感じで、どっちみち使わんって感じ。

取材中に自衛隊員が、「今、何を必要としているのか」聞き取りにやってきた。
農業用ハウスに避難する人:
簡易トイレ、袋と固まるあれ(凝固剤)をもらってるんだけど外枠がないんですよ。いま、箱でどうにかできんかなと思って。
自衛隊員:
向こうあったんで見てきますわ。

■いま被災地で特に必要なのは水 インフラ破壊に物資不足の避難生活

避難生活を余儀なくされている人は2万8000人を超えている。特に必要なものとしてあげられるのが「水」だ。
吉原キャスター:
給水はできましたか?
被災者:
何とか間に合いました。
(Q.足りていますか?)水は足りていないですね。
(Q.断水続いていますか?)もう全然(復旧しない)。電気もきてないし。

■特に甚大な被害受けた珠洲市 兵庫県・神戸市14人の職員派遣

インフラの破壊と物資の不足の中、多くの人が避難生活を送る被災地。関西からは8日も新たに支援に向かう人たちがいた。

久元神戸市長:
災害の初期対応の中で避難所運営は大変大事です。これは、29年前の震災の経験を照らしてもはっきりしていることです。

兵庫県と神戸市の職員合わせて14人が8日朝に出発した。関西広域連合の中で、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県や神戸市などが、特に被害が甚大な珠洲市の支援をすることに決まった。

兵庫県企画部総務課・藤原正崇副課長:
ささいなことでも少しでも被災地の方々に寄り添い、力になりたいと考えております。

人口の56パーセントが避難生活を余儀なくされている珠洲市で避難所運営を支援する。地震発生から1週間たった現在も被災した人たちは見通しが立たない生活を送っている。必要な支援を届ける取り組みが続く。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年1月8日放送)

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