パリ五輪卓球女子の日本代表争いが活況を極めている。
代表は、シングルス2・団体戦代表1の合計3枠。
シングルス1枠は、ポイントトップの早田ひな選手が確定的で、ポイント2位の平野美宇選手を3位伊藤美誠選手が僅差で追いかけている。どちらが2位となるかは来年の全日本選手権で決まる。
ポイント順位通りならば、団体戦代表を含め3枠はこの3選手で決定なのだが。2023年、強豪たちを倒して一気にポイント5位に急上昇した伸び盛りの15歳・張本美和選手に期待を寄せる声が聞こえてきた。
3枠目の正式名称は「団体戦代表候補予定選手」。条件は、団体戦でのシングルス・ダブルスにて“活躍が期待できる選手“を強化本部が決めることになっている。

2004年アテネ五輪卓球女子代表監督で当時15歳の福原愛選手を大抜擢した西村卓二氏は、15歳の張本美和選手の可能性を強く提言する。
3人目というのは、すごく大事な選手になってきますね。
やはり日本のテーマというのは、中国に勝ってですね、王座を奪回するということがメインなんですね、今。
そこで今回勝負ができるかといえば、やはり張本をですね。 僕でしたら起用をしたい。

福原愛選手と西村卓二ナショナルチーム監督(当時)
以前、ナショナルチームの監督をやっていた時に、福原愛、ちょうど15歳。勢いがあって若さがあるし、誰もそれは止められないんですね。じゃあ今、誰がそうなんだと。やっぱり張本なんですね。
張本は年も若いし、ランキングも上げてきました。ですから研究もそんなにされていないんですね。ちょっと張本はまだ未知数である。中国にとっても怖い存在。
大事なところは、張本はですね、ダブルスも上手なんですね。
なぜならばフォアハンドが強いというところがダブルスで非常に重要になってくるんですね。
あと半年ありますから、十分にやれるのではないか。
大番狂わせ起こすのではないかと私は思いますね。

15歳の張本美和は、「ミレニアム世代」と呼ばれる、早田ひな・平野美宇・伊藤美誠の3選手がしのぎを削る姿を横目に、国際大会で快進撃。
10月の世界ランキングでは、日本選手3番手だった平野美宇の17位を抜いて15位に浮上。
11月の国内最後の選考会・全農カップ大阪大会では、準々決勝で伊藤美誠をラリー戦で圧倒して勝利。
決勝では、女王・早田ひなにひるむことなく打ち合いを演じて初勝利、 優勝をもぎ取った。
張本美和は、選考会で代表有力選手2人を倒してみせた。
そして12月、名古屋で開かれた世界ランキング16位以内の選手で争われたWTTファイルにも、世界ランキング15位の張本美和は出場。 一方、世界ランキング17位の平野美宇は、この大会への出場がかなわなかった。
当然、世界のトップ3を独占し続ける卓球王国・中国の3人も出場。
張本美和は、世界ランキング1位・孫穎莎(中国)と1回戦で対戦。
フルセットの大熱戦を演じて、世界1位を追い詰めてみせた。
2022年12月の世界ランキング45位から、1年で一気に15位まで躍進した勢いは世界の卓球人を驚かせた。
卓球のパリ五輪代表は、2024年1月に行われる全日本選手権の結果を受けて3名が決まる。