山形・新庄市の県立農林大学校で、農林畜産業の担い手たちが2年間の研究成果をまとめた卒業論文の発表会が開かれた。2023年の2年生は57人で、約6割が就農を目指し、2024年4月からは新たな一歩を踏み出す。

テーマは農業維持のための「課題解決」

県立農林大学校では毎年この時期、翌年に卒業を控えた2年生が研究成果を論文にして発表している。発表は2日間にわたって行われ、このうち果樹経営学科からは12月13日、14人が演壇に立った。

この記事の画像(6枚)

サクランボ農家を目指す多田えり子さんは、新技術の「摘花」による高い品質と収量を得る研究を重ねてきた。

果樹経営学科2年・多田えり子さん:
つぼみを落さないので通常より多くの花を残すことができ、霜や凍害にあっても収量を維持することができるため、大きな経済効果が期待できる

農家を取り巻く環境は大きく変わり、農業を維持していくための「課題解決」が若者たちの大きなテーマとなる。

果樹経営学科2年・柏倉悠太さん:
けがを機に農作業ができなくなり、祖父から「引退」を宣言され、そこで祖父の涙を見た

大江町でモモ農家を継ぐ決意を語った柏倉悠太さんは、枝折れなどを防ぎ作業効率を高める栽培法を研究してきた。

果樹経営学科2年・柏倉悠太さん:
支柱を使わずに枝をつることで、木の下での作業省力化につながった。防鳥網の設置で、ハチ・鳥の被害もゼロに抑えられた。卒業後は祖父の後を継ぎ、経営者として頑張っていく。諦めずに前に進んでいきたい

成績上位者は、1月に開かれる「東日本農業大学校等プロジェクト発表会」に参加する。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
さくらんぼテレビ

山形の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。