全国で相次ぐ走行中の車からタイヤが外れる脱輪事故。タイヤ交換を行うこの時期は事故が起こりやすく注意が必要だ。自分で交換を行うドライバーも多い信州。気を付けるポイントをJAFに聞いた。
冬に相次ぐ「脱輪事故」
道路を走行中の軽乗用車。突然バランスを崩し火花が上がる。タイヤが外れたのだ。
11月24日、北海道札幌市で起きた「脱輪事故」。
タイヤはバウンドしながら後方へ転がっていくが、後続車は間一髪でスピードを緩めて避け、けが人はいなかった。
全国で走行中の車からタイヤが外れる「脱輪事故」が相次いでいる。
11月14日、札幌市で軽自動車から外れたタイヤが4歳の女の子を直撃。意識不明の重体に。
12月1日には青森県でも大型トラックのタイヤ2本が外れ衝突した男性作業員が死亡した。
長野市でも2022年1月、ミキサー車のタイヤが外れ、対向車にぶつかる事故があった。
脱輪事故が増えるのは冬の期間だ。

タイヤ交換後に事故が起きやすい
国土交通省によると、2022年度の大型車の脱輪事故140件のうち、11月から2月に93件と集中して発生している。
理由として考えられるのが「タイヤ交換」。
JAFなどによると、冬用タイヤに履き替えた後に事故が起きやすくなっている。
JAF長野支部の吉川瑠美さんは、「雪予報が急に出てきて急いでタイヤ交換しようと思い焦りから、ヒューマンエラーが発生してしまうと考えられる」としている。

脱輪の主な原因は“ナットの緩み”
自分でタイヤ交換をするドライバーも多い県内。気を付けるポイントを吉川さんに聞いた。
脱輪の主な原因はナットの緩み。
偏りが出ないよう、対角線上に締めていく。
ナットが5つの場合は星を描くようにするのがポイントだという。

その後、「トルクレンチ」を使ってしっかりと適正な強さで締める。
(※説明書の記載を確認し適切な強さ(締め付けトルク)でナットを締める)
吉川さんは、「締め付けすぎも良くなくて、オーバートルクと言うんですけど結果、ネジの損傷につながって、最終的に緩みやすくなる原因になるので、やめてほしい」と注意している。

焦らず最終チェックを
また、ホイールとナットが適合したものでないと緩みやすくなるので注意してほしいという。
タイヤ交換後は駐車場などで最終チェックが必要だ。
吉川さんは、「タイヤが適正にはまってなかったり、ホイールと車の接地部分にすき間が空いているという理由でカタカタ音が鳴るので、違和感があったら、すぐに運転をやめて点検をし直してもらいたい。焦らないで最後に必ず最終チェックをするという時間の余裕を持ってもらうといいんじゃないか」と、アドバイスする。

(長野放送)