11月18日から12月4日までの17日間、まとまった雨が観測されていない東京。

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広い範囲に乾燥注意報が出ており、街の人は「乾燥」対策に追われていました。

20代女性:
冬場はお風呂上がりにボディークリームを全身に塗るので、それでなんとか防げてはいますけど。それをやらないと膝とか、すねとかがカサカサになっちゃいますね。

40代女性:
のどあめとか食べて、口を潤すようにはしています。マスクすると保湿になるかなと思うので、マスクしています。

ドライマウス研究所の斎藤一郎代表によると、実は冬の乾燥で“うるおい不足”が体中に多発する“ある症状”に注意が必要だと言います。

ドライマウス研究会 斎藤一郎 代表:
「ドライシンドローム」
という病気になります。日本語で「乾燥症候群」という病気なんですけども、冬になってくると、大気が乾燥しますので、より症状が顕著になるというのが特徴です。

冬の時期、乾燥が「肌」だけではなく体中に多発する「ドライシンドローム」。どのように対策すればよいのでしょうか?

乾燥が引き起こす「ドライシンドローム」

乾燥によって口や目、皮膚など体のさまざまな部位が乾いて、不快な症状が多発する「ドライシンドローム」。

――乾燥が多発してしまう原因はなんなのでしょうか?
ドライマウス研究会 斎藤一郎 代表:

体の外分泌腺、涙とか唾液とか、皮膚の線だとかが、同時に色々な原因で機能が低下してしまうと。それ故に、色々なところに、乾燥症状が出るということが原因です。

ドライマウス研究会 斎藤一郎 代表(中央)
ドライマウス研究会 斎藤一郎 代表(中央)

特に40歳以上の女性は、加齢に伴い女性ホルモンの分泌が減少するため、「ドライシンドローム」になりやすいといいます。

ドライマウス研究会 斎藤一郎 代表:
このような症状を示すのは、女性が多いというのもありますし、女性ホルモンが減るとストレスを感じる方もいますので、そうすると、外分泌腺の機能が落ちてくるというのが原因のひとつだと思います。

では、「ドライシンドローム」にならないためには、どのような点に気をつければ良いのか?注意すべき症状と、その対策を聞きました。

▶ドライマウス

唾液の分泌が減少することで、口の中が乾く「ドライマウス」。

口内が乾燥する原因は、ストレスや寝不足による「減少型」、精神的な要因があるとみられる「心因型」、そして口呼吸や口を開けたままでいることで、唾液が蒸発してしまう「蒸発型」があります。冬は、この蒸発型で症状が出てしまう人が多いといいます。

この症状を放置すると、唾液によって増殖が抑えられていた口内の細菌が増加、虫歯や歯周病につながるほか、口の中の細菌が肺に入って炎症を起こす「誤嚥性肺炎」になるケースも。

「ドライマウス」の対策としては、よくかんで食べて口を動かして、唾液の分泌量を増やす。
またマスクをしていると、鼻呼吸がしづらく無意識に口呼吸になっている事があるため、意識的に口を閉じることが大切です。

ドライマウス研究会 斎藤一郎 代表:
睡眠時、上を向いてお休みになる方は、どうしても顎が下がって口呼吸になりやすいんですけども、横を向いて寝たり、抱き枕を使ったりすると、比較的改善しやすいです。

▶ドライアイ

涙の分泌量が減少し、目の表面を潤す力が低下する「ドライアイ」。
眼科医で慶應義塾大学の名誉教授でもある坪田一男氏によると、空気が乾燥する秋から冬にかけて患者が増えるといいます。

かゆみや痛み、ゴロゴロする異物感、目やに、疲れ目、かすみ目などの症状が出て、放置すると視力低下や角膜感染症を発症する可能性も。

主な原因は、エアコンなどによる室内の乾燥、パソコン・スマホなどの長時間の目を使う作業、加齢・ストレスによる涙の分泌量の減少があげられます。

「ドライアイ」を防ぐためには、ドライアイ用の目薬を差す、室内の湿度を保つ、リラックス効果で涙の分泌量を増やすために、目を温めるなどがあります。

▶ドライノーズ

鼻の中の粘膜が乾燥し、鼻の違和感や、鼻血が出やすくなる、においを感じにくくなるなどの症状が出る「ドライノーズ」。

いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長によると、鼻の中が潤っているときは、線毛という細かい毛がホコリやウィルスを外に出してくれますが、乾燥によってその働きが鈍くなると、アレルギーや感染症になりやすくなるといいます。

「ドライノーズ」の原因は、「自律神経の乱れ」が大きく関わっていると言われています。また、鼻炎や花粉症などで頻繁に鼻をかんだり、頻繁に口呼吸をする人や、喫煙をしている人も注意が必要です。

対策としては、粘膜が傷つくと乾燥が悪化するため、鼻の中を過度に触らない。加湿器と保湿を心掛けることが大切です。ワセリンを鼻の中に塗るのも効果が高いそうです。
(「めざまし8」12月5日放送より)