「高円宮杯 全日本中学校英語弁論大会」は、天皇皇后両陛下や上皇さまもかつて出席されるなど、皇室にゆかりの深い大会。
75回目の今回、東京・千代田区の帝国ホテルで、全国の予選を勝ち抜いた150人余りの中学生が、コロナ禍以降初めて実際に会場に集まり、レセプションが開かれた。
久子さまは、大会で入賞した中学生のスピーチに熱心に耳を傾けたあと、「英語はあくまでもコミュニケーションのツールであり、話す内容がもっと大事」と呼びかけられた。
そのうえで、人種や障害、民族、ジェンダーなどに触れた内容が多かったと指摘し、「人類という一つの種は、共通して持っているものの方が多い。違っているものより、はるかに多いということを絶対に忘れないでいただきたい」と英語を交え、原稿なしでおよそ9分間にわたり思いを伝えられた。
また、会場をあとにする際には、出場した中学生たちと交流し、「発音がきれいですね」「海外に住んだことはありますか」と声をかけられた。
この大会は、戦後まもなく、国際的な若者を育成するために「高松宮杯」として始まり、高松宮さまが亡くなったあとは、高円宮ご夫妻が引き継がれた。
アメリカやイギリスで学生時代を過ごした久子さまは、行事の際に流ちょうな英語を使う機会も多く、東京五輪招致のプレゼンテーションで、各国に東日本大震災の支援のお礼を直接英語で伝えられている。
久子さまは毎年、この大会に出場する1人ひとりのスピーチに目を通し、審査会議にも立ち会っているほか、大会では高円宮さまがデザインしたカップを中学生に手渡されている。
若い世代が英語を学び、広い視野を持って成長していくことを願い、「どこかで皆様が活躍しておられるその姿を将来拝見し、またお目にかかれるのを楽しみにしております」とエールを送られた。
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