本格的な紅葉シーズンを迎えた京都。美しい紅葉を見に訪れた多くの観光客の中で、目立つのは、外国人観光客の姿です。

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シンガポールからの男性観光客:
インターネットで見ていたよりもずっと紅葉がきれいでした。
シンガポールからの女性観光客:
でもすごく、混んでますね。

アメリカから来た観光客:
オレンジの色と空と葉っぱがすごく素敵です。

観光庁によると、7月から9月までの3カ月間に訪日外国人が国内で消費した金額は、1兆3904億円に。過去最高を記録しました。

取材班が京都で出会ったのは、日本人の妻の両親と共に京都に1週間ほど滞在するという、アメリカから来た家族。

アメリカから来た家族・妻:
父に(プレゼントで)靴を。20万ぐらいですかね。日本だと色々、円安もありますけど、やっぱり質とか素材も魅力的で。
――今回の日本滞在の予算は?
ないですね、特に。満喫できればということで。

今回の旅行では、予算を決めずに京都を満喫するといいます。取材スタッフが驚いたのはその宿泊費用です。

アメリカから来た家族・妻:
2部屋なので、200万円くらいですかね。8日間。お金なんて。(両親に)楽しんでもらえれば。

なんと、2家族分の8日間の宿泊費は約200万円。
実は今、インバウンド消費が増える中で、“ホテル代が高騰”する現象が起きているのです。

宿泊代が軒並み高騰

「めざまし8」が大手旅行サイトで、京都市内の宿泊施設の料金を見てみると、祝日の前日となると、1泊の料金が3万円以下の宿泊施設は見当たりませんでした。

京都市内にある70年以上の歴史を持つ旅館「こうろ」。豪華な懐石料理や鍋料理、そして、ひのき風呂の大浴場が人気の旅館です。

こちらの旅館でも、コロナ禍前の2019年と比べて、2割~最大4割ほど値上げしたといいます。

旅館「こうろ」代表取締役 北原達馬さん:
やはり3年間のコロナ禍で失った利益というのがかなりあります。インバウンドが増えてきているっていうところが一つの追い風ですから、ある程度海外の方向けに宿泊料金を上げても、今はついてきていただいているという状態ですね。

ホテルの価格高騰は関東でも。
埼玉県・秩父市にある、「和銅鉱泉」とよばれる自家源泉が自慢の旅館、ゆの宿「和どう」も、物価高や人件費の影響で、値上げをせざるを得なかったといいます。

(株)和銅鉱泉旅館 ゆの宿 和どう 代表取締役 町田啓介さん:
やむを得ないとろがある。平均で一人1500円~2000円ぐらいは上がっています。一部屋単位だと4000円近く上がっています。

実際に、メトロエンジン社の公表している「主要都市別ホテルの価格推移(2名料金)」の、コロナ禍前の2019年と現在(2023年9月時点)とを比較してみると、地域差はあるものの、どの観光地も上昇傾向にあることが分かりました。

ホテル評論家の瀧澤信秋氏によると、中でも人が集まる「大都市」は、宿泊代が高くなっているところが多いといいます。

ホテル評論家 瀧澤信秋氏
ホテル評論家 瀧澤信秋氏

――これからさらに訪日外国人が増えた場合、もっと上がる可能性はありますか?
ホテル評論家 瀧澤信秋氏:

そうですね。やはり市場原理で需要と供給のバランスで料金が決まっていくんですが、インバウンド環境が違うのは、業界全体でコロナ禍の損失を取り戻そうという業界全体の動きというのが重なっていると思います。

“宿泊困難”回避のためにできることは?

宿泊代の高騰に加えて、すぐに部屋が埋まってしまうという問題もあります。
年末をまじかに迎え、気になるのは「いつまでに予約すればいいのか?」。瀧澤氏によると、すでに人気の観光地などは埋まっている可能性が高いといいます。

しかし、“ある日”を狙うことで、予約が取れる可能性も。

ホテル評論家 瀧澤信秋氏:
「3日前」というのがポイントで、3日前というのは、宿泊のキャンセル料がかかるタイミング。すなわち、キャンセルする人はそこでキャンセルをすると。もう一つは、当日の午後3時。これがホテルでチェックインする大体多い時間帯なんですが、その当日午後3時の前、午後くらいからキャンセルが出始めます。特に客室数の多い、何百室というホテルは分母が大きいので、キャンセルが出ることが多いです。

宿泊施設の問題は、観光や帰省だけではありません。来年2月の国公立大学2次試験が、3連休と重なっており、ホテルの予約が困難になる可能性が。

河合塾の担当者は、「10月中旬に首都圏音ホテルの予約状況を確認したところ、高価格のホテルがかろうじて残っている状況だった。受験生には早めの宿泊先確保を呼びかけている」と話します。

“宿泊困難”にならないためにはどうすればいいのか?瀧澤氏によると、以下の選択肢を視野に入れることも大切だといいます。

・郊外の駅直ホテルに目を向ける
・公共系のホテル
・レジャーホテル
・高級カプセルホテル

――高すぎて泊まれないという問題もでてきますよね?
ホテル評論家 瀧澤信秋氏:

高騰しているのは宿泊予約サイトに載っているホテルなんですね。レジャーホテルのように、宿泊サイトに載っていないホテルはたくさんあります。そういうところを探してみるのもいいですね。

(「めざまし8」11月23日放送より)