何者かが、図書館の本を約40冊もビリビリに破いていた。そして、そこには奇妙な共通点がいくつかあった…。

「謎解き部分」が破られ、結末が分からなくなった本も

世にも奇妙な出来事に揺れているのは、香川・高松市にある図書館。

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高松市中央図書館 一原玄子館長:
(本を開く)こういう形で本の中ほどが、ごっそり抜き取られたような形になっていいます。

ビリビリに破られた小説は、150ページ分ほどがなくなっていた。

この図書館では、2022年春ごろから2023年10月までにかけて、約40冊の本のページが何者かに破り取られる被害に遭った。狙われた本にはある「共通点」があった。

高松市中央図書館 一原玄子館長:
あまり本に興味がない方でも、名前は聞いたことがある作家が多い。

破られた本は、東野圭吾さんや湊かなえさんなど、人気作家の作品ばかり。

中には、最後の謎解き部分が破り取られ、結末が分からなくなった本もあった。破られた本は修復できず、廃棄せざるを得ないという。

犯行には、こんな謎も残されていた。

同じ本2冊のほぼ同じページが破られていた
同じ本2冊のほぼ同じページが破られていた

記者リポート:
宮部みゆきさんの同じ小説2冊は、ほぼ同じページが破られていました。

湊かなえさんの作品も、同じ本2冊のほぼ同じページが破られていた。まさに、ミステリー小説を地で行く謎の犯行。

被害にあった本は、直近の貸し出しや返却時には問題がなかったことから、図書館の中で破られた可能性が高いという。しかし、館内に設置された複数の防犯カメラで怪しい人物は確認されていなかった。

犯人は、職員や多くの利用者の目がある図書館で、どのようにして小説を破いたのだろうか?
館長はこう推理する。

高松市中央図書館 一原玄子館長:
各フロアにお手洗いとかありますので、そちらにこっそり持ち込まれると、ちょっと分かりにくい。

そして、最大の謎である「なぜ小説を破るのか?」という動機の部分。館長は“本好き”による仕業ではないかと話す。

高松市中央図書館 一原玄子館長:
(破った本は)捨てるのではなく持っているのではないか。たぶん抜き取られた方は、本を読むのは好きな方と推察するが、そう思うとなおさら悲しい気持ちになります。

破られた本の被害額は7万円以上。図書館は同一人物による悪質ないたずらとみていて、近く警察に被害届を提出する予定だ。
(「イット!」 11月21日放送より)