ビールの材料はジャガイモ!
静岡県の三島市名産のジャガイモ「三島馬鈴薯」。このジャガイモから作られたコロッケは「みしまコロッケ」として認知されているが、今度は“ビール”に挑戦。いったいどんな味なのか。
店内で飲まれている、このビール。
材料はなんと「ジャガイモ」。

男性:
ジャガイモ?
女性:
ですって
三島の名産ジャガイモ「三島馬鈴薯」
箱根西麓の火山灰土で育った「三島馬鈴薯」。
三島馬鈴薯で作る「みしまコロッケ」が有名だが、いったいなぜビールに?

JA三島函南・外岡賢大さん:
僕自身もすごくビールが好きでいろんな地域に行った際に地元のビールを、地ビールというのを飲んでいたんですけど、三島でも地元の愛されるビールが欲しいなと思いまして

ジャガイモのビールを思いついたのは、地元のJAに勤める外岡賢大(とのおかまさひろ)さん。
JA三島函南・外岡賢大さん:
やっぱり三島を代表する食材として三島馬鈴薯を一番最初に使ってみたいなと思いまして、三島馬鈴薯しか今回考えてなかったです

地元の地ビールメーカーがビールづくりを引き受ける
外岡さんの熱意にこたえてビールづくりを引き受けたのは、沼津市の地ビールメーカー「柿田川ブリューイング」。
これまで、伊豆のイチゴの他、沼津の桃やミカンなど地元の食材を使ったビールに挑戦してきた。
柿田川ブリューイング・片岡哲也さん:
(ジャガイモのビールは)初めて作るんですけど、ちゃんとビールのイメージを作って、想像して、想像通りのビールなるのを願って

麦芽とジャガイモを一緒に煮込み、ジャガイモのデンプンを糖に変える。
これが「糖化」の作業。
麦芽とジャガイモを絞った麦汁にホップを入れて煮沸する段階で、スライスしたジャガイモを投入。ジャガイモの風味と濁りをつけるのが狙いだ。
柿田川ブリューイング・片岡哲也さん:
普通のビールはもっとクリアなんですけど、今回ジャガイモとかで濁りを出したかったんで、ちょっと濁らせてます。色は薄めの白ですね
1週間ほど発酵させた後、さらに熟成させる。どんなビールに仕上がるのか。

ビールのラベルを担当したのは三島市出身のデザイナー、ヒロットンさん。
そのこだわりのラベルは…
ヒロットンさん:
打ち合わせをしているときに、農家の方がイノシシとかシカの被害にあわれているという風に聞いたので、逆にそのシカとかイノシシも食べるくらいおいしい馬鈴薯でできるというのを、動物を描いて表せればいいかなと思って

そして、仕込みから1か月。
こだわりが詰まった三島馬鈴薯のビールが完成した。

その味を知ってもらおうと、飲食店などを対象とした、試飲会が開かれた。
男性参加者:
普通のビールってちょっと苦みが残るんですけど、それがなんかクリーミーで飲みやすいです
女性参加者:
女性も飲みやすいと思います
別の男性参加者:
うちでもこれ取り扱いたいんですけど、説得力出ますよね、地産地消もここまで来たかなという感じで
飲みやすさを重視して、アルコール度数は4.4度に抑えた。
みしまコロッケを一緒に食べれば相性抜群。
三島コロッケの会・渡辺靖乃会長:
みしまコロッケ自体も三島馬鈴薯の甘みを生かしていて、ビールも風味を生かしているのでベストマッチという感じで。三島コロッケに恋人が見つかったなっていうようなイメージで頂いてます
柿田川ブリューイング・片岡哲也さん:
イメージ通りにできてるとは思います。初めてで試行錯誤はしたんですけど、醸造は一発で決めないといけないので、それに関してはよくやったなと自分をほめたいなと思います

ビールの名前はMISHIMA VEGE BEER(ミシマ ベジビール)。
今後、ジャガイモ以外の野菜も使ってシリーズ化する予定だ。
JA三島函南・外岡賢大さん:
本当に三島は野菜が豊富なので、ほかのお野菜を使ったシーズン物のビールなんかも今後展開していって、その旬を知ってもらう最初のきっかけになればいいかなと思っております

新たな名物、ジャガイモのビール。
三島では「とりあえず ジャガイモビールで」が当たり前になるかもしれない。
(テレビ静岡)