長野県内の定点当たりのインフルエンザの患者の届け出数は6週連続の増加となり、注意報レベルが続いている。例年より早めの流行で、医療機関では、薬の不足で処方できないケースも出ているという。
子どもが感染 そして、家族に…
松本市の大野医院。10月からインフルエンザの疑いで受診する人が増え、連日10人から20人ほど陽性が確認されている。
取材した10月31日も13人が陽性だった。
特に目立つのは、子どもが陽性となり家族に広がるケースだ。
この記事の画像(5枚)インフルエンザの免疫が落ちたか
大野医院の大野和幸副院長は、「例年、この時期にこれだけ感染者が出るっていうことはない。コロナ禍でインフルエンザに対する免疫が失われたというのが、これだけ早くはやった理由の一つではないか」と話す。
県によると、10月29日までの1週間の定点医療機関あたりの届け出数は、23.03人で6週連続の増加となり、注意報レベルが続いている。
保健所別では、上田が56.13人、北信が37.2人、伊那が30.63人で警報レベルを超えていて、他の多くの地域でも注意報レベルを超えている。
県内4つの小学校が休校となったほか、保育所・小学校・中学校・高校など80施設で学級閉鎖があった。
咳止めなどの薬が不足
患者の急増に加え、悩ましいのが薬の不足。夏場の新型コロナの感染拡大以降、咳止めなどの薬が不足していて、こちらの医院でも処方できないケースが出ているという。
大野副院長は、「普段であれば長期処方するような患者さんにも、事情を話して、処方を見合わせていただくことを続けている。漢方薬を上手に使うとか、いろんな方法で切り抜けてはいるが、かなり困っている」と話す。
感染対策の徹底 予防接種の検討を
大野副院長は、感染を広げないためにも、コロナ禍の感染対策と同様、マスクの着用や手洗い、手指の消毒などの徹底が重要だと話す。
また、予防接種も検討してほしいとしている。すでに申し込みも増えていて、今は1日30人ほどが受けているという。
大野副院長は、「インフルエンザのワクチンは、発症リスクは30%抑えられる程度だが、重症化・入院のリスクを減らせる効果がわかっているので、ぜひ1人でも多くの方に打っていただきたい」と呼びかけている。
(長野放送)