紅葉狩りの季節、週末に登山を楽しむ人も多いのではないだろうか。しかし、思いがけない山の事故も発生していて注意が必要だ。福島県裏磐梯のアウトドアガイドに登山者が事故に遭わないための注意点を聞いた。
福島県の山岳事故10月は最多
福島県磐梯町の磐梯山、八方台登山口。10月27日多くの登山者の姿が見られた。
登山客は「紅葉もいい季節ですし、年に2,3回は登るようにしているので」と話す。

秋を満喫できる登山。一方で、福島県内では山の事故も発生している。警察によると、10月の山岳事故は11件と2023年で最多となり、22日は磐梯山の山頂付近で50代の男性が死亡している。

「疲労」や「道迷い」が遭難につながる
裏磐梯で20年アウトドアガイドを務める渡邊亮さん。登山中に遭難するケースは、主に「疲労」や「道迷い」などが挙げられるという。
急がずゆっくり
まずは「疲労」の対策。急がずゆっくり、1時間おきに5分程度の休憩を取るのがと良いということだ。渡邊さんは「自分が思っている以上にゆっくり、まずは歩く。身体が慣れて来たらいつもの自分のペースにしていくといった準備が必要だと思います」と話す。

事前にルートを把握
「道迷い」の対策は事前の準備が大切だ。「自分がどういうルートで登るかというところは、しっかりと事前に把握しておくことが必要になると思います」と渡邊さんは話す。

防寒対策も工夫を
「防寒対策」も大切だ。標高が100メートル高くなるごとに0.6度、風速1mで1℃気温が下がるといわれている。渡邊さんは「ベースレイヤーと言って、一番下に着る肌着の部分ですね。これがウールのモノを着ている。ウールは濡れても冷えにくいという利点があります」と話す。

また、雨が降った場合は、低体温症に注意が必要だ。レインウェアや予備の防寒着、手袋など状況に応じ重ね着をして体温を調整することが大切だ。

無理をしないことも大切
そして、これらの対策に加え「無理をしない」ことも大切だ。
アウトドアガイド・渡邊亮さん:山の登頂にこだわるとか、そういう事ではなく、天気が悪かったら、今日は(登頂は)止めておこうかなぐらいのスタンスで良いと思います。無理に行かない。

紅葉狩りに良い季節、くれぐれも安全で楽しい登山を。
(福島テレビ)