10月29日は「世界脳卒中デー」。2006年10月29日に世界脳卒中機構が結成されたのを記念して定められた。死に至ったり大きな後遺症が残ったり怖い病気だが、医師は予防と早めの治療でリスクを減らすことができると話す。
PRのため各地でライトアップ
10月29日には「世界脳卒中デー」の認知度アップを目指し、全国50カ所以上でライトアップが行われる。福島県内では喜多方市のJR磐越西線・一の戸橋梁がライトアップされる。

脳血管に障害がおこる病気の総称
「脳卒中」とは、脳血管に障害が起こる病気の総称で、脳血管が詰まる「脳梗塞」、脳血管が破れる「脳出血」、そして「くも膜下出血」がある。いずれも死に至るケースや、大きな後遺症を残す危険な病気だ。

死亡率が高い福島県
「脳卒中は、色々なところが影響しているもの。福島県で脳卒中が多い原因として、いくつか気になることがある」と話すのは、脳卒中に詳しい福島赤十字病院の鈴木恭一院長。都道府県別の脳卒中による死亡率は、男性が11位・女性が6位と全国でも高い水準となっている。

塩分摂取・喫煙率・メタボが多い
福島赤十字病院の鈴木恭一院長は「塩分接種過多、喫煙率が高いこと、メタボになっていること。そういうことが複合して福島県は脳卒中が多いのではないかと考えている」という。

福島県は、塩分接種と喫煙率が共に全国ワースト1位。メタボ率は全国ワースト4位と「脳卒中」のリスクが高まる数字が軒並み悪い結果になっている。

動脈硬化を予防するEPA
特にコレステロールや血糖値は長年の蓄積が原因のため、特に食生活には気をつける必要がある。動脈硬化を予防する「EPA」という栄養を持つ、魚中心のバランス良い食生活にすることなどが重要だという。

予兆を知るFAST
また脳卒中は、急に体調が悪化するケースもあるため、わずかな変化を感じることが大切。そのわずかな変化・予兆を知るための合言葉が「FAST」本人はもちろんだが、家族も気を付けてほしいポイントだ。
「F」フェイス・・・顔の片側が下がったり歪みが出ること
「A」アーム・・・片側の手に力が入りづらくなること
「S」スピーチ・・・言葉が発しにくくろれつが回りにくくなること
「T」タイム・・・これら3つの兆候がでたらすぐに病院を受診することが大切
予防と治療で改善できる
福島赤十字病院の鈴木院長は「脳卒中はある程度 予防と治療すると、良くすることができる。まずはならない」

「残念ながらなってしまったら、一刻も早く適切な医療機関に行って、適切な治療を受ける。それによってまた人生が戻ってきます」と話した。
(福島テレビ)