熊本市のベッドタウンとして人口が増加する合志市は、市の中央に位置する御代志地区で土地区画整理事業を進めている。合志市が新たな「地域の顔」にしようと取り組むまちづくりを取材した。
御代志駅一帯で進む新たな“まちづくり”
2022年10月、熊本電鉄の新しい御代志駅が開業した。
この記事の画像(11枚)新しい駅は合志市が進める土地区画整理事業に伴い、旧・御代志駅から南東に約200メートル移設。駅舎や駅前広場などが整備された。
合志市は、御代志地区で2018年度から土地区画整理事業を進めている。
対象エリアは、国道387号線を挟んだ、あわせて17.9ヘクタールで、商業施設や、道路、公園などを整備する計画だ。
合志市都市建設部・大茂竜二部長:
合志市は今、人口が非常に伸びていて中央部に人が増えましたので、ここが位置的にはちょうど中心部になります。この中央部からまちづくりを改めて始めたいということで、新・御代志駅を核としたまちづくりに取り組んでいるところです
商業施設3棟建設に住民も期待寄せる
合志市は2006年2月に、合志町と西合志町が合併。
当時、約5万3,000人だった人口は、2022年度時点で6万人を超え、熊本市のベッドタウンとして増加が続いている。
一方で、中心市街地と呼ばれる「まちの核」がないとして、市の中央に位置する御代志地区を拠点に、新たなまちづくりに取り組んでいる。
新・御代志駅南側の約1万1,000平方メートルに、2階建て2棟、平屋建て1棟の、合わせて3棟の商業施設を建設。
延べ床面積は約5,000平方メートルで、スーパーや飲食店、100円ショップ、ファストフード店などを誘致する予定。2025年3月の開業を目指している。
街の人たちは、「できるのを待っている。駅に近く移動に少ししかかからないから、店が1つよりも2つ、3つあったほうがいい」「商業施設はかなり行ったところにしかないから、この辺にできてくれたらうれしい」など、期待の声を寄せた。
渋滞対策や防災に向けた道路整備も
一方、気になるのが朝夕の渋滞。
近くに住む人は「道路を横断するのが怖い」と不安そうだ。
渋滞解消のため、合志市は県のインフラ整備事業と合わせて道路の改良に取り組み、2023年8月に新しい交差点の供用が始まった。
これまでは国道に対してクランクのように市道が接続され、渋滞の要因の一つとなっていたが、今回、国道と交わるよう市道を付け替え、交差点に。また、右折と左折レーンを設置し、直進の流れを遮らないことで渋滞の緩和を図る。
さらに、電線の地中化も進めている。
広域災害道路に指定されている道路で地震などが起きて電柱が倒れてしまい、物資輸送の障害になってしまうということがあった。そのため、そういった道路では「電柱を立てない(地中化する)」ということが進められているという。
これから「地域の顔」に期待
新・御代志駅の北側約200メートルの場所には、10月21日、TKUの住宅展示場がオープンした。
ハウスメーカー6社が、約8,000平方メートルの敷地に6棟のモデルハウスを出展。ライフスタイルに合わせた、和風モダンや洋風のモデルハウスを見学することができる。
合志市都市建設部・大茂竜二部長:
ここの開発を起点として、これから国道沿いにまちの発展を広げていきたいと考えておりますし、まだまだ今は何もありませんが、期待していただければと思います
合志市が新たな「地域の顔」を作ろうと進める御代志地区のまちづくり。整備完了は2027年度の予定だ。
(テレビ熊本)