2023年9月、世界遺産・知床で船の上から撮影された写真には、ガリガリに痩せこけた1頭のクマが写っている。
世界遺産・知床に“痩せこけたクマ”

海岸の岩場をうろつき、何かを探しているようにも見える。
撮影した写真家は、
「あんなに痩せているクマは初めて見たので悲しくなった。サケの遡上がなかったためなのか、弱い個体だったのか。餌の競争に負けて取れなかったのか、病気なのか詳しい状況はわからないが、餌を探すような様子が気の毒に見えた」(写真家 齋藤一馬さん)
痩せこけている原因は?
クマの生態に詳しい専門家に、痩せこけている原因を聞いた。
「餌が少ない。夏から秋にかけてドングリがない。サケやマスが上がらない川がある。餌を食べることができないクマが、人里での出没につながっている」(北海道大学大学院獣医学研究科 坪田敏男教授)
一方 人里には“巨大なクマ”
北海道石狩市では体長180cm・体重320kgの巨大なクマが箱わなにかかり、その後駆除された。

2023年7月に駆除された「OSO18」と同じクラスの大きさだ。
餌不足の中、強い個体で山の木の実などを優先的に食べることができたという見方や、人里で農作物などを食べたためという可能性も指摘されている。

餌を求めたクマの出没、一体いつまで続くのだろうか。