新型コロナの影響で留学生が… 2人しか来日できず

福岡日本語学校・永田大樹校長:
完全に空き教室です

学校関係者に案内されたのは、誰もいない使われていない教室。

福岡日本語学校・永田大樹校長:
本来なら、ここに20名入っているはずです。ある日突然、交通事故に遭ったような気分ですね

福岡市南区にある福岡日本語学校。ベトナムやネパールなど、主にアジア圏から日本語習得や大学進学を目指す留学生を受け入れている。

この4月と7月に、あわせて108人が入学する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、まだ2人しか来日できていない。

学生のいない教室では、日本語教師が1人、オンラインで授業を行っていた。

日本語教師・渡辺美香さん:
ベトナムの学生なんですけど、海の近くの田舎に住んでいる人は、何回も回線が落ちたりするし、今日は音が聞こえませんというのもありました。やっぱり早く来てほしいです

4月に入学予定だったベトナム人のグェン・フォンさん(18):
コロナの影響で日本に行けないのは寂しい。早く日本に行きたいです

留学生受け入れ再開の見通し立たず

福岡県で生活する留学生の数は年々増加し、2019年は2万人に迫る1万9,629人に上った。
全国的に見ても、東京、大阪に次いで3番目に多くなっている。

出身国別に見ると、最も多いのはベトナムの6,441人で、全体の32.8%。次いで中国が4,903人で25%、ネパールが4,421人で22.5%となっている。

ベトナム出身の留学生は…

ベトナム人留学生 ホー・ティ・オアインさん(20):
福岡はきれいで静か。将来は大学に入って、卒業したらベトナムに帰って日本語教師になりたいです

実はオアインさんの弟も、この4月にこの学校に入学する予定だった。

ベトナム人留学生 ホー・ティ・オアインさん(20):
6カ月くらい前から準備していた。(弟は)いつ来られるか、まだわかりません

政府は現在、ベトナムなど一部の国を対象に入国規制の緩和を検討しているが、当面はビジネス関係者が優先で、留学生の受け入れがいつ再開されるのか、見通しは立っていない。

この厳しい現状が、学校経営を直撃している。

福岡日本語学校・永田大樹校長:
日本語学校は、在籍期間が2年と決まっていますので、来年の春まで学生が入れなかったら在籍者ゼロになって、事実上継続は難しくなる。留学生がいなかったら、閉鎖するしか道はないのかなと

留学生が来なければ、当然学費も入らず、学校経営はたちまち立ち行かなくなる。
国内では、すでに閉校を決めた学校もあり、校長は早急に支援策を打ち出してほしいと話す。

福岡日本語学校・永田大樹校長:
私たちが今、上陸拒否によって受けている状態というのは、休業要請を受けた場合とは、ちょっと意味が違う。
もちろん防疫上のことを考えれば、今外国人を入れるということが難しいというのは、私も理解しますし、入国制限は必要であろうと思います。
しかし、それに対する損失の部分に関しては、何らかな正当な補償というものが必要ではないか。さもないと、この業界自体が立ち行かなくなってしまう。その思いでいっぱい

日本語学校は「なくてはならないもの」

単に日本語を教えるだけでなく、日本文化に溶け込める人材に育成し、進学・就職のサポートも行っている日本語学校。
近年の日本社会では、なくてはならないものになっていると専門家は話す。

九州大学大学院 比較社会文化研究院・施光恒教授:
政府が、留学生や外国人労働者に日本にたくさん来てもらおうという政策をずっとやってきた。
高等教育で言えば、「留学生30万人計画」。産業上の要請としては、「入管法の改正」というのをやって、単純労働者をたくさん入れようというような政策をやってきている。
産業上の要請としても、高等教育業界の要請としても、外国人に来てもらわないと成り立たないというのが、今の日本の社会。
それを成り立たせているのが、実は日本語学校。

九州大学大学院 比較社会文化研究院・施光恒教授:
政府がそういう外国人の受け入れ政策をとってきたために、日本語学校は半ば無理して、学生をたくさん受け入れていこうと経営をやってきた。
ここで、コロナの問題で急にはしごを外されてしまうようなことになると、やはり政府は無責任と言うことになりかねない。手厚い補助金で経営破綻するような学校がないようにしていくべき

(テレビ西日本)