福岡・宮若市の小学校に通う児童と保護者が、市と県に損害賠償を求め提訴した。 担任により給食を減らされたのは、体罰だと訴えている。
保護者「1日も早く辞めていただきたい」
提訴した母親は17日、「当時担任だった先生には、教壇に立っていただきたくないです。1日も早く辞めていただきたい」と、教師への怒りをあらわにしていた。
この記事の画像(9枚)損害賠償を求める裁判を起こしたのは、男子児童と保護者。その理由は給食を減らす体罰だ。
訴状によると、市内の小学校に通う男子児童が当時1年生だった頃、担任の女性教師から「宿題をしていない」ことなどを理由に、何度も給食を減らされる体罰を受けたというのだ。時には、おかずのハンバーグを1口分だけ残して取り上げられることもあったという。
給食を減量された回数はほぼ毎日と話す男子児童の母親は、「(息子は)学校から帰宅してすぐ、ご飯を山盛り2杯を夕食前に食べて、さらに夕食を食べているような状況でした」と、当時の息子の異変について振り返る。
減らされた理由は「宿題をしていない」
担任によって給食を減らされたのは、体罰なのか?
福岡県内の小学校に通う男子児童と保護者が市を相手に起こした異例の裁判。
訴状によると、宮若市内の小学校に通う男子児童は、当時1年生だった2021年度の1学期から3学期にかけて、担任の女性教師から何度も給食を減らされた。
児童の母親によると、ほぼ毎日減らされていたという。そして、その給食を減らした理由に関して、「宿題をしていない」ことや、「給食当番をしていない」ことなどを挙げていた。
そして、女性教師は減らす際には、「少しでも食べられることに感謝しなさい」などと話をしていたという。
減らされた結果、通常の6分の1程度のカロリーか
実際に給食をどのくらい減らしていたのか?
例えば、通常だと白米・ハンバーグ・スープだったとすると、白米が箸で2つかみ分くらい、ハンバーグは1口分くらい、スープは3口分くらいということで、ほかはすべて取り上げられてしまったという。
給食を減らされたことの影響について、17日、会見の中でこのように話していた。
児童の母親:
入学して、早々からこの件が発覚する(2021年度)3学期の3月10日までほぼ日常化していた。(息子は)学校から帰宅して、すぐにご飯を山盛り2杯夕食前に食べて、さらに夕食を食べているような状況でした。
給食といえば、子供にとって欠かせないもの。文科省が設けている、給食についての「給食摂取基準」によると、小学1年生(6~7歳)の1人1回あたりの学校給食摂取基準は530kcalとなっている。
栄養士の若宮寿子さんによると、今回のように給食を減らした場合のカロリーは、一般的な給食のメニューに照らし合わせて計算した場合、約80kcalしか取れないとのこと。これは通常の6分の1程度で、エネルギーが足りておらず、さらには体を作る栄養がそがれて、成長を妨げる影響が出てしまうという。
市や県に165万円の損害賠償など求める
男子児童とその保護者は、女性教師の行為が「体罰」にあたるとして、市や県に165万円の損害賠償などを求めている。
そして17日、第1回口頭弁論が開かれたが、宮若市側は出廷しなかった。市は、原告側に対し請求棄却を求めて争う姿勢を示していて、「裁判の内容については、お答えを差し控える」としている。
(「イット!」 10月18日放送より)