その場所の可能性を掘り起こし、新たな魅力を発信する「地域おこし協力隊」
福島県鏡石町では、東京から移住した夫婦が「食」を通じた輪を広げようとしている。惚れ込むほどおいしいという地元産食材の魅力を、料理で伝える挑戦がはじまる。

町産のイチゴを使ったグルメ

福島県鏡石町で4年ぶりに開かれたオランダ・秋祭り。人気となっていたのが、鏡石町産のイチゴを使ったチーズスティック。

イベントで人気 地元産イチゴをソースに使ったチーズスティック
イベントで人気 地元産イチゴをソースに使ったチーズスティック
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開発したのは郡山女子大附属高校の生徒、そして地域おこし協力隊の小柳拓未さん(24)と比呂さん(25)。

作ったのは高校生と地域おこし協力隊の小柳さん夫婦
作ったのは高校生と地域おこし協力隊の小柳さん夫婦

コロナ禍 家族との時間を考える

福島県須賀川市出身の比呂さん。進学で上京し、アルバイト先で料理人の拓未さんと出会った。大学卒業を機に2人は、福島県に住むことを決めた。

二人の出会いは料理店
二人の出会いは料理店

比呂さんは「コロナが一番大きなきっかけ。自分が今一番時間を使いたい人・一緒に居たい人が誰か考えた時、それが家族だった。家族とずっと離れて暮らすのは嫌だなと」

コロナ禍で家族について考える
コロナ禍で家族について考える

「おばあちゃんの家が鏡石町にあって、幼少期からよく遊びに来ていて、慣れ親しんだ土地だったので、そこで働いて地域に貢献できるのはすごく嬉しい気持ち」と話す。

鏡石町は祖母が住まいがあった慣れ親しんだ場所
鏡石町は祖母が住まいがあった慣れ親しんだ場所

積み重ねた町との関わり

鏡石町に移住した2人は、高校生と地元の食材を使った6次化商品を開発。さらに町民が交流する料理教室を開いてきた。

移住後は「食」を通して地域に貢献
移住後は「食」を通して地域に貢献

そして忘れられない思い出は、田んぼアートでの写真撮影。町の人が温かく受け入れてくれたことに感謝している。

ウエディングフォトは町自慢の田んぼアートをバックに
ウエディングフォトは町自慢の田んぼアートをバックに

料理で地域を盛り上げる

「野菜1つ1つのクオリティーの高さというか、野菜の糖度も高いのでポタージュにした時に素材のうま味だけで、お客様に楽しんでいただけるような料理になる」と拓未さんはいう。

拓未さんが惚れ込んだ鏡石町の食材 
拓未さんが惚れ込んだ鏡石町の食材 

鏡石町の食材に惚れ込んだ拓未さん。町の事業で料理店をオープンし、ここでしか味わえないメニューを提供することになった。

料理店オープンへ ここでしか味わえないメニューを提供
料理店オープンへ ここでしか味わえないメニューを提供

鏡石町企画財政課の石井秀樹さんは「若いお二人が町に来て力を発揮して、定着していただけるのは町として嬉しい。自分の強みを活かして活動していただいて、行政で出来ないこともやってくれている」と話す。

鏡石町企画財政課の石井秀樹さん 町も二人の挑戦を応援
鏡石町企画財政課の石井秀樹さん 町も二人の挑戦を応援

夫婦が目指す“これから”

2023年11月に鏡石町の目抜き通りにオープンする予定の料理店。拓未さんはメニューの試作、比呂さんは店内のレイアウトなど、それぞれのこだわりを形にしている。

2023年11月に鏡石町の目抜き通りにオープンする予定
2023年11月に鏡石町の目抜き通りにオープンする予定

比呂さんは「街の中では、若い子達が賑わって歩いている様子が少ないので、お店に若い子たち中心に来ていただいて、賑わいのある街になっていけば良い」と話す。

小柳比呂さん 店をきっかけに町に賑わいを
小柳比呂さん 店をきっかけに町に賑わいを

拓未さんは「町内産の野菜を、町内の人が食べていない。まずは町内の人に、町内の野菜を知って食べてもらって、そこから町外の方に発信できるようになればいいな」とこれからについて語った。

小柳拓未さん まずは地元の人に魅力を知ってもらう 
小柳拓未さん まずは地元の人に魅力を知ってもらう 

鏡石から「おいしい」と「笑顔」を届ける。2人の新たな地域おこしが始まる。

(福島テレビ)

福島テレビ
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