黒人の少女だけがメダルをかけられず「人種差別だ」とする声が上がった問題で、少女の母親がラジオ番組のインタビューに、苦しい胸の内を明かした。
「私たちは娘をサポートし続けている」
「私たちは娘をサポートし続けているが、この問題は娘の自信を打ち砕く事になってしまったのです。娘は参加者の中で唯一の黒人で、ああいうことが起きた。とても恐ろしいことです」とラジオ番組のインタビューで心境を語った少女の母親。

この問題が起きたのは、アイルランドの首都・ダブリンで2022年3月に行われた体操イベントでの表彰式。プレゼンターの女性は次々と白人の子供たちの首にメダルをかけていくが、黒人の少女だけを飛ばして次の少女へ。飛ばされた黒人の少女は、困惑した様子で女性の方を見つめていた。

この直後、母親はアイルランド体操協会に抗議の手紙を出したという。
「問題の職員を特定するため調べていると言ってくれた。しかしやりとりしてもう1年以上になります。そこでスイスにある体操倫理財団と連絡を取り、1年以上たっているにもかかわらず、いまだに体操協会から謝罪がないのは非常に残念だと伝えました」
ようやく届いた取材の手紙…その内容にがく然
その後、体操協会の関係者から家族のもとに1通のメールが届いたというが、母親らはその内容にがく然としたという。

「手紙には "関係各位 "とあり、私たちはすぐに冗談だろうと思いました。さらに『このたびはお嬢さんに申し訳ありませんでした』と娘の名前すら書かれていなかった」
「私はいまだ娘にその手紙を見せていません」
しかし問題の動画がSNSを中心に拡散されたことで、「動画が拡散されると、何百万人もの人々がこの問題に異議を唱えたため、まったく違うものになっている」と状況が大きく変わってきたと母親は話した。
母親はこのラジオインタビューの中で、「私たちは黒人などが何をするにしても自信を持ち、取り残されていると感じないようにしたいです」と訴えかけた。
(「イット!」 10月9日放送より)