“読書の街”を宣言している福島県矢祭町。2023年9月から、新たな取り組みを始めた。町内の至る所に、本が並んだスタンドを設置。いつでも誰でも、本を借りることができる、その名も「本のこうかんスタンド」その仕組みとは?
町内11カ所に設置
町役場のほか、郵便局や駅の待合室、酒店など町内11ヵ所に設置された「本のこうかんスタンド」 役場で初めて利用した親子は「図書館にわざわざ行かなくても、こういう所でちょっと時間つぶしのために見れるのはいい」と話す。
この記事の画像(9枚)設置している店の従業員も「ガスの支払いとかで来られるお客様が、こんなふうな本のスタンドがあるんだなって見ていかれることがある」というように、徐々に町に溶け込み始めている様子。
返却は不要 どこに返してもいい
利用方法は簡単。貸し出しカードも無く、町民以外も誰でも利用できる。借りた本は同じスタンドに返却しても、別のスタンドに入れてもいい。さらに、気に入った本はそのまま貰ってもよいという。また読まなくなった本をスタンドに寄付してもいい。本を持ってくる人と本を持っていく人を、この「スタンド」がつなぐ。
しまっておくのは もったいない
“もっと手軽に本に親しんでもらいたい”と、地域おこし協力隊の大羽未准さんたちが町の図書館の蔵書を有効活用しようと企画した「本のこうかんスタンド」
大羽さんは「もともと寄贈で全国から贈っていただいた本が町にはたくさんあって、しまってある本もたくさん。それをそのままにしておくのは、もったいないよねってところと、もっと身近に本を置いておきたいなって」ときっかけについて話す。
保護者からは好評
佐瀬和宏さんの9カ月の息子は、最近絵本に興味を持ち始めたという。週に1回は利用しているという佐瀬さん。「やっぱり借りる本だと、特に小さいうちはきれいになるべく汚さないようにと気を遣うが、やはりいただくと、その辺のハードルがぐっと下がるので利用しやすいので、ありがたい」と話す。
鮮魚店には魚や食べ物の本
スタンドが置かれている場所によって、揃えている本のジャンルには特徴がある。幅広い年代の人が利用する駅の待合室は、メジャーな本を多めに。鮮魚店のスタンドには、魚や食べ物にちなんだ本が多く並ぶ。
本を気軽に身近に
大羽さんたちはスタンドを多くの人に利用してもらい、新たな発見や将来の学びに繋がる読書を楽しんでほしいと考えている。
地域おこし協力隊・大羽未准さん:面白くなければ戻せばいいし、自分が読み切れなかった本も、誰かが読んでくれるかなっていう気持ちで戻してくれてもいい。そういう気軽に楽しく、本と関わっていただけるような町になればいいなと思います
(福島テレビ)