バレーボールのパリオリンピック予選、男子日本代表はここまで1勝1敗。上位2チームにパリ五輪出場権が与えられるなか、日本は現在4位につけている。

第1戦はフィンランド戦。日本は第1・2セットを連取したものの、続く第3・4セットを相手に奪われ、大会初日にして激闘へ。フルセットを制し勝利を手にしていた。

日本代表キャプテン 石川祐希(フィンランド戦)
日本代表キャプテン 石川祐希(フィンランド戦)
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そして、おとといの第2戦・エジプト戦。日本は第1セットを25-14、第2セットを25-10で先取。このままストレート勝ちかと思いきや、第3セット以降はエジプトが徐々にギアを上げてリードを奪い、日本はまたもやフルセットへ突入。大混戦の末に逆転負けとなり、まさかの黒星を喫した。

まさかの逆転負け…唖然とする日本代表と喜ぶエジプト代表
まさかの逆転負け…唖然とする日本代表と喜ぶエジプト代表

エジプト戦の試合後、キャプテンの石川祐希は第3セットをこう振り返る。

「相手の勢いに押されているし、自分たちで自分自身を苦しめている。そこを考えて戦っていかないといけない」

「相手の勢いに押される」…打開策は?

“相手の勢いに押される”とは、どういうことなのか。元日本代表のアウトサイドヒッターで、オリンピックや世界選手権でも活躍した福澤達哉氏が分析する。

元バレーボール日本代表 福澤達哉氏
元バレーボール日本代表 福澤達哉氏

「エジプトの勢いに押されて、『相手を止めなきゃいけない』という焦った気持ちが先行してしまうと、リスクが高いプレーを選んでしまったり、ブロックのタイミングがわずかにずれてきてしまうんですよね。

そこから軌道修正できれば良いのですが、日本は修正できるタイミングがなかった。選手間で『こういう時は、あのプレーをしよう』という決まり事や共通認識があれば、はね返せたかもしれない」

残り5試合。パリ五輪出場権獲得をかけて巻き返しを狙うなか、今夜の対戦相手はチュニジアだ。

4年前は日本がストレート勝ちだが…

日本が最後にチュジニアと戦ったのは、2019年のワールドカップバレー。

日本は3-0でチュニジアに勝利したものの、彼らを苦しめる強敵がいた。

身長191cm、ハムザ ナガ。

パワー系の猛烈なスパイクやサーブを武器に、当時の大会の得点ランキングでは、石川や西田有志を上回る2位にランクインしている。

そんな“アフリカ最強クラスのポイントゲッター”は、今大会にも出場。先月30日のスロベニア 戦では、チームトップの15得点をマークしている。

“ナガ攻略”のキープレーヤーは小野寺と山内

絶対的エース・ナガとの再戦。ナガとの対戦経験もある福澤氏は、チュニジアの“攻略法”について、こう解説する。

ミドルブロッカー 小野寺太志
ミドルブロッカー 小野寺太志

「両ミドルブロッカーの小野寺太志選手と山内晶大選手が、ナガ選手のアタックをいかにブロックできるか。これがカギになってくると思います。

ナガ選手は、高さもパワーもありますが、フェイントなどの“緩急”をつけるわけではないんです。

ミドルブロッカー 山内晶大
ミドルブロッカー 山内晶大

とにかく自分の身体能力を思いっきり生かして打ってくるので、日本はどれだけ粘り強くそれを防ぎ続けられるか。ナガのペースになる前に抑えることが大事です。

チュニジアのアタックをいかにブロックするか
チュニジアのアタックをいかにブロックするか

今大会で感じていることですが、“実力プラスアルファ”のところが(試合の)勝敗を分けているんですよね。相手チームに勢いで押されたときに、冷静に戦えるかどうか。それが出来れば、このパリオリンピック予選を乗り越えていけると思います」

日本はこの苦しい流れを断ち切ることができるか。チュニジア戦は今夜行われる。

FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
日本戦全戦をフジテレビ系独占中継!
男子大会:9月30日(土)-10月8日(日)
東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催