2023年は、人がクマに襲われるケースがこれまでに4件と「過去最多」のペースとなっている。山形県は9月28日、クマ対策を検討する対策会議を開き、2023年の「異常事態」の現状を報告し、山に入る際の注意点を改めて呼びかけた。
「異常事態」受け県が注意喚起
クマ対策を検討する会議の冒頭、県環境エネルギー部の荒木泰子次長は「(2023年に)人身被害は4件発生していて、同時期としては記録が残る昭和52年(1977年)以降、過去最多となっている」と報告した。
この記事の画像(4枚)山形県によると、2023年の県内でのクマの目撃は9月24日の時点で505件と、すでに2022年一年間の376件を上回り、記録が残る2003年以降2番目の多さとなっている。
例年は6~7月が目撃のピークだが、2023年はそれ以降も目撃が相次ぎ、9月もすでに77件と2022年の3倍以上。人がクマに襲われてけがをする被害は、8月末までで4件と「過去最多」のペースとなっている。
これから行楽やキノコ採りで山に入る人が増える時期だけに、県が改めて注意を呼びかけた。
県みどり自然課・鈴木慎一課長補佐:
鈴・ラジオなど“音の出る物”を身に付けて自分の存在を知らせる。何かあった時のために、なるべく1人では山に入らないよう注意してほしい
また、クマのエサとなるブナの実が2023年は県内全域で「凶作」となる見通しで、冬眠前のクマの出没が増える恐れがあり、注意が必要だ。
(さくらんぼテレビ)