スシローは、テーブル席にオーダー用の新しい大型モニターを設置すると発表した。
モニターには寿司が流れる様子がうつり、大勢で見ながら注文したり、注文額に応じてゲームを楽しんだりできるなど、新しい回転寿司の形が実現する。
デジタルの力で回転寿司を“体験”
寿司が流れる様子を映した大型のモニターで、デジタルを武器に回転寿司の新しい形を提案。
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現在レーンでお寿司が回っていないスシローですが、このようにデジタルで回転寿司を体験することができます。
回転寿司チェーンのスシローは、テーブル席に大型のデジタルモニターを導入し、回転寿司をモチーフに、レーンから流れてくる寿司を注文できるシステムを始めると発表した。
大画面のため、大勢でメニューを見ることができ、2人同時の注文が可能になるほか、客による迷惑行為も防止することができる。
また、注文額に応じてゲームが楽しめるなど、ファミリー層の取り込みも進めたい狙い。
FOOD&LIFE COMPANIES 広告宣伝部・中岡大輔課長:
今の時代に合わせた提供方法を維持しながらも、回転寿司が本来持っていた楽しさというものを、再現できないかなと考えた。
他の店舗での運用を視野に、まずは3店舗から導入を始めるという。
“価格競争”にとらわれない取り組み
「Live News α」では、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。
海老原優香 キャスター:
渡辺さん、スシローが提供する新たな顧客体験をさっそく取材されたという事ですが、いかがでしたか。
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
スシローのデジタル化となるデジローの実証実験は、回転寿司の未来を表しており、新しい選択肢として顧客に支持されるのか興味深いです。
実際にディスプレイを触らせてもらいましたが、デジタル回転レーンは大型でタッチしやすく、2人同時にできて、レーンを手で早めに送れるのは便利でした。またタッチパネルと併用もできるため、注文の選択肢が広がった形といえます。
何よりデジタルのため、顧客のイタズラをシャットアウトできるのは、衛生管理対策となっています。
海老原優香 キャスター:
子供たちが楽しめる仕掛けもあるようですね。
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
デジローでは、クイズや豆知識、スロットなど、子供連れのファミリーが楽しめる機能があります。
これは「くら寿司」が展開する、カプセルトイが5皿ごとにできる「ビッくらポン」などへの対抗となりそうです。
回転寿司に限らず、外食産業では食事の楽しさだけではなく、エンタテインメントの要素を盛り込むことで、価格競争から抜けだそうとする動きがあります。
これはインバウンドの顧客獲得にも有利になるため、各社の工夫が加速しそうです。
デジタル化で“攻守両方”を可能に
海老原優香 キャスター:
これから回転寿司は、変わっていきそうですね。
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
スシローは48年前に、立ってカウンターで注文する「鯛すし」からスタートしています。
そのなごりなのか、回るお寿司の中から顧客が選ぶだけではなく、客の注文した商品を目の前に届ける“オートウェーター”を併用しています。
オートウェーターのみの店舗も80店舗に拡大する計画で、まさに原点に立ち返る戦略をとっているといえます。
海老原優香 キャスター:
いま、外食産業は人手不足や仕入れ食材の高騰など、さまざまな逆風の中にあるため、時代に合わせた対応が求められていますよね。
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
デジローもオートウェーターも、顧客第一という外に向かっての攻めである一方、人手不足対策や効率化という守りの取り組みも兼ねています。
この2つを可能にしたデジタルの活用に注目したいと思います。
海老原優香 キャスター:
安心して美味しく食べられる。そこにエンタテイメントの要素も加わり、楽しさが増すデジタル化。この流れは加速していきそうです。
(「Live News α」9月27日放送分より)