様々な国や地域が観光客の誘致に取り組む一方で、逆に観光客が集中することで弊害が起きる「オーバーツーリズム」が問題となっているところもある。
フランス北西部にある、湾に浮かぶ修道院「モンサンミシェル」もそんな観光地のひとつだ。フランス政府の対策を取材した。
多くが日帰り…狭い道や階段に人が殺到
フランス北西部にある世界遺産「モンサンミシェル」。

人口わずか27人の島に訪れる観光客は、年間300万人に上るが、その多くが日帰り客だ。
そのため、夏や昼間の時間帯に集中している。

修道院に通じる歩道では、両側に飲食店や土産物店などが並び、昼間は大勢の観光客でにぎわっている。
島では狭い通りや階段が多く、人が殺到すると危険な状況になる。
こうした中、フランス政府は6月、観光客を分散させる対策に乗り出した。

モンサンミシェルでは、混雑している写真をSNSで発信し、訪問を控えるよう呼びかけている。
また、空いている時間帯に観光客を誘導するため、夕方以降の駐車料金を無料にした。
ほかに、夜間やオフシーズンにファッションショーなどのイベントも開催している。

モンサンミシェル観光部門責任者のエルベ・ビエルジョンさんは、「年間300万人の訪問者を分散させることで、モンサンミシェルを歴史ある遺産として守ることができると思っています」と話す。
持続可能な観光のために、様々な取り組みが続く。
(「Live News days」9月27日放送より)
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