芸術・文化の分野で優れた功績をあげた人たちに贈られる、日本美術協会が主催する高松宮殿下記念・世界文化賞。34回目を迎えた今回、音楽部門の受賞が決まったのは、ウィントン・マルサリスさん(61)だ。

ウィントン・マルサリスさんは、1961年、ジャズ発祥の地ニューオーリンズに生まれ、ジャズ・ピアニストで教育者の父、エリスさんのもと、6歳でトランペットを始めた。

ジュリアード音楽院でクラシックを学び、在学中に参加したアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズで広く注目される。

作曲家としても才能を発揮し、1983年の第26回グラミー賞ではジャズ部門とクラシック部門を同時受賞した初めてのミュージシャンとなった。世界中の人たちに独自の音楽観を届けている。

ウィントン・マルサリスさん
「ジャズはもちろん交響曲のインスピレーションになりえます。高度な技術やメロディ、ハーモニー、リズム、テクスチャーなど、音楽におけるすべての特徴が互いに関係し合っているからです」

1997年には、アメリカの奴隷制の歴史を描いた作品「ブラッド・オン・ザ・フィールズ」で、ジャズ・ミュージシャンとして初めてピューリッツァー賞音楽部門を受賞した。

ウィントン・マルサリスさん
「公民権運動が行われていたアメリカ南部で、人種差別の中育ったので、ずっと奴隷制に興味がありました。だから、私にとってとても自然なテーマでした」

ジャズの教育者としても知られ、現在は、ジャズ・アット・リンカーン・センターの芸術監督やジュリアード音楽院のジャズ研究ディレクターを務め、若い世代の育成とジャズの世界的な発展に尽力している。

受賞が決まったマルサリスさんは12日、アメリカ・ホワイトハウスで開かれた受賞者祝賀式で、トランペットの演奏を披露し、式典に華を添えた。

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国際取材部
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